ぎゃあーっ!! 今夜も聞こえてきました。女性の悲鳴に近い……怒声? なにやらずんずんさんがキャリアウーマンにつめられています。「……って私は言ったんだけど、どこか問題ある!? ないよね!?」「はい、おっしゃる通りです……なんかスミマセン」。どうやら女性の正論に返す言葉がない様子です。「なのに、私って全然評価されないのよ。上司の方が間違っているのにね」ため息をつく女性に、ずんずんさんは何を思うのでしょうか。

頑張っているのにどうして評価されないの?

こんにちは!ずんずんです。

オフィスのちょっと生意気な部下や後輩……。

生意気なだけならいいけれど、言動にイラっとするその時、

「奥歯ガタガタ言わしてやんよ」

と言わんばかりに説教……いやちょっと激しめの指導をしていませんか?

私も若かりし頃、後輩にちょっと激しめの指導をしたことがありまして、うっかりその後輩が泣いてしまったんですね。後日上司に「お前、何考えてんだ」と今度は私がちょっと激しめな指導を受けるハメになったのは良い思い出です。

とそれはさておき、こんなふうに良かれと思って指導しているつもりが行き過ぎてしまう人って結構いると思うんですよね。こういう人って仕事の能力は高いんですけど、後輩や部下には敬遠され、上司に気に入られてるとは言い難かったりします。

当の本人は「頑張ってるのにどうして評価されないんだろう」と首をかしげてばかり……。

正論で「白黒つけたガール」

こういった人が評価がイマイチな理由は、それは「白黒つけたガール」だからなんです。

「白黒つけたガール」というのは、そのまんまなんですが、なんでも正論で白黒つけたがって、相手を論破しようとするガールのことです。

正論ってパワフルなんですよね。正しいからこそ否定できず、聞いている方はなんだかもやもや……。

「白黒つけたガール」はこんなモヤモヤをオフィスにまき散らしまくっているんです。

私の友人のB美ちゃんもそんな「白黒つけたガール」でした。

都内で働くB美ちゃんは、一流私大を卒業して外資系コンサルタントに就職したという華麗なキャリアの持ち主です。人生、勝って勝って勝ちまくってきたため、B美ちゃんは何事においても自分が絶対的に正しいと信じて疑いません。

コンサルタントという仕事の性質も相まってか、オフィスでは常に正論ばかり言っています。ちょっとミスした後輩に対しても、正論で淡々とつめていくため、後輩も、

「ほんとすいません……」

と頭を下げ続けるしかありませんでした。

仕事はデキるのに、出世できないB美ちゃん

B美ちゃんの正論に、つめられた後輩も「自分はなんてダメな奴なんだ……」と精神力がゴリゴリと削られてしまって、つぶれてしまうケースも多々もありました……。

さらに、B美ちゃんはおかしいと思ったら上司にも噛みつくので、上司ウケもあまりいいとは言えません。

そんなわけで、B美ちゃんは仕事はデキるのに、会社で何年たっても出世できないという憂き目にあっていたんですね。

これが仕事だけならまだいいのですが、プライベートにもこの白黒つけたがるクセを持ち込んでしまったから、あら大変。旦那さんとも喧嘩ばかりで「性格の不一致」を理由に離婚してしまいました……。

頑張り屋さんの白黒つけたガール

正しいことばかり言ってたって、仕事やプライベートで幸せになれなければ意味がありません。でもB美ちゃんはその辺をわかってなくて、いつまでたってもこの白黒つけたがるクセを直せないんですね。

B美ちゃんがどうしてこんなに白黒つけたがる性格になったかというと、その秘密は彼女のお姉ちゃんとの関係にありました。

お母さんがB美ちゃんよりもお姉ちゃんの方ばかりかわいがってたんです。

B美ちゃんはお姉ちゃんよりも優れていればお母さんは自分のことをお姉ちゃんよりかわいがってくれるはずだ!と思い込み、小さい頃から一生懸命勉強も仕事も頑張ってきたそうです。

人の2倍3倍と頑張っていたため、誰かより劣ってるということが許せないのです。そのため、どこに行っても「相手を打ち負かせてやる!」という態度が身についてしまったのですね。

この「誰かより劣ってることが許せない」というのは、実は「自信のなさ」の表れなんです。自分に自信がないから、相手を打ち負かして自分が正しいって主張し続けないと自分を守れないんです。

本人は自信満々のつもりでも、心の底ではいつも自分が誰かよりも劣ってないかとおびえてばかりで、どこか心に余裕を持てずにいるのが白黒つけたガールの特徴です。

あえて、とどめを刺さない

この恐怖に打ち勝つには「人生には勝ち負けはない」と知ることです。

仕事では主張しなければいけないことはいくらでもあります。でも相手をぼこぼこにしてまで主張するのは、あまり良いとはいえません。

相手を打ち負かしたい気持ちを抑えて、

あえて、とどめを刺さない

これが大人としての正しいルールです。

相手にちょっと逃げるスペースを与えてあげるんですね。そうすれば、相手はつめられてる時も、そのスペースに逃げ込んでほっと一息つけるというわけです。

人生は白黒だけではありません。灰色の部分もちょっと目をつぶってあげられる大人の余裕をもちましょう。

さてはて、白黒つけたガールのB美ちゃんですが、会社でいつまでたっても出世できないため、

「きっと自分にはスキルが足りないんだ!」

と海外の大学院に留学してしまいました。

足りないのはスキルではなくて大人の余裕……とはなかなか言えませんでしたが、海外で気づいてほしいな……と、遠くから願うばかりです。

といったところで今日は失礼します☆