マレーシア・クアラルンプール郊外で、警察に連行されるベトナム国籍のドアン・ティ・フオン被告(2017年10月9日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(キム・ジョンナム、Kim Jong-Nam)氏がマレーシアで殺害された事件をめぐり、10日に同国首都クアラルンプール(Kuala Lumpur)郊外で開かれた裁判で、正男氏の遺体の顔から致死量を超える猛毒の神経剤VXが検出されるとともに、事件の2日前に被告が何者かに対して予行練習をしていたとみられる様子を防犯カメラが捉えていたとの証言があった。

 シャー・アラム(Shah Alam)の高等裁判所で開かれた裁判に出廷した化学者のラジャ・スブラマニアム(Raja Subramaniam)氏は、正男氏の顔の皮膚から体重1キロ当たり0.2ミリグラムのVXが検出されたと証言。この数字は通常の場合、致死量のおよそ1.4倍に相当するという。

 VXは致死性が非常に高いため、国連(UN)が大量破壊兵器に指定しており、正男氏はVXによって神経系を侵され、襲撃直後に死亡した。

 事件は今年2月13日、クアラルンプール国際空港(Kuala Lumpur International Airport)で発生。インドネシア国籍のシティ・アイシャ(Siti Aishah)被告とベトナム国籍のドアン・ティ・フオン(Doan Thi Huong)被告が正男氏にVXを塗布した罪で起訴された。両被告は共に無罪を主張しているが、有罪と認められれば絞首刑に処される可能性もある。

 ラジャ氏によると、VXは正男氏の上着の襟と袖にも付着していたといい、襲撃を受けた後に正男氏が顔を拭った可能性もあるという。

 ラジャ氏は以前にも、被告らの衣服からもVXが見つかったと証言しており、両被告とVXとの直接の関係を示す最初の証拠となっていた。

 さらに裁判では警察官も出廷して証言。これによると、事件発生の2日前に当たる2月11日、正男氏が殺害されたのと同じ空港ターミナルの出発ロビーで、フオン被告が何者かに近づく様子が防犯カメラに捉えられていたと話し、正男氏殺害前の予行練習とみられると指摘した。

 同警察官の話では、フオン被告はその場に居合わせた人の中から無作為に選んだ1人の顔面上の何かを、背後から優しく拭うような動きを見せたという。

 ただこれとは対照的に、正男氏殺害時は「かなり荒々しく、いかにも攻撃のようだった」と話している。
【翻訳編集】AFPBB News