ケイヒルを中心に不屈の精神を見せつけたオーストラリア。難敵が立ちはだかるであろう大陸間プレーオフでも大いに期待できそうだ。 (C) Getty Images

写真拡大

 まさに、劇的な展開だった。

 現地時間10月10日にシドニーで行なわれたロシア・ワールドカップ・アジア予選の第5代表決定プレーオフ第2レグは、オーストラリアがシリアを2-1で下して、北中米カリブ代表との大陸間プレーオフに駒を進めた
 
 敵地での第1レグを1-1で終えていたサッカルーズ(オーストラリア代表の愛称)は、6分にオマール・アッソマにゴールを決められ、シリアに先手を取られてしまう。
 
 しかし、この暗雲を吹き飛ばしたのは、大ベテランのティム・ケイヒルだった。13分にマシュー・レッキーからのピンポイントクロスを豪快なヘディングでゴールにねじ込むと、互いにせめぎ合って1-1のまま突入した延長戦、109分に再びヘディング弾を炸裂させたのだ。
 
 稀代の英雄の連弾で勝ち越しに成功したオーストラリアは、一転して猛攻を仕掛けにかかるアウェーチームの攻撃を凌ぎきって、2戦合計3-2でシリアを撃破した。
 
 延長後半、土壇場で37歳の大ベテランが演じたメイクドラマ……。その劇的な展開を現地メディアは、熱狂でもって一斉に報じている。
 
 この歴史的一戦を速報的に伝えたオーストラリア紙『ヘラルド・サン』は、「210分間の激闘は3-2で決着したが、その結果は逆になる可能性もあった」と綴り、さらに殊勝な活躍を見せたケイヒルを称えた。
 
「シリアは我々に、生き地獄のような経験をさせた。だが、いつものように、最後の最後の最後に、ティム・ケイヒルが救ってくれた。オーストラリアは、ロシア行きへの望みを繋いだ。夢は生き続ける」
 
 地元メディアから絶賛されたパフォーマンスを披露したケイヒルは試合後、『ESPN』の取材に対して「ボスが僕を信頼し、チャンスをくれて嬉しかった。それに何としても、応えたかったんだ」と、指揮官のアンジェ・ポステコグルーへの感謝を述べて、大陸間プレーオフへの意気込みを語った。
 
「誰がプレーするのかは、もはや重要じゃない。みんなが高いレベルでやれるようにならなければいけない。それから自分たちを本当に信じなければいけないね。現時点ではかなりの手応えがある」
 
「ファンを含めて、みんなで一緒にやり遂げられたこと、子どもたちが夢を見続けられること、そのすべてを誇りに思う」と胸を張ったケイヒルに牽引されるオーストラリア。はたして、サッカルーズは4大会連続のワールドカップへの切符を掴めるだろうか?

 なお、11月の大陸間プレーオフで相対するのは、北中米・カリブ海予選の4位の座を争っているアメリカ、パナマ、ホンジュラスのいずれかであり、こちらは日本時間の10月11日午前11時頃に勝負が決する予定だ。