アイテムが多い部屋を片づけるのに重宝する収納グッズ。でも、収納グッズが多すぎて、見栄えが悪くなり逆効果になることも…。まずは、同じアイテムやサイズ違いのアイテムを使ってリズムよく並べることを心がけてみませんか。それだけで、美意識の高い空間に見せることができます。

「パリのお菓子屋さんや食材店で、商品を入れたケースがずらっと並ぶのは、なんだかすてきに見えるものです」と語る、パリ在住経験があり、フランス収納を実践する達人・正林恵理子さんに、憧れの部屋づくりのヒントとなる考え方を教わりました。フランス収納のルール「リズムよく並べる」を解説!

シンプルでかわいいものは、複数並べるとよりかわいさが強調されるというのが正林さんの持論。気に入ったアイテムは最低2個、たいていは3個以上買うそうです。「並べ方で印象が変わるので、いろいろ試します。シンプルなものほど場所を選ばないし、シンメトリーや等間隔に置くなどアレンジも利きますよ」。

今回はとくにリズム感を意識したフランス収納のテクニックを説明していきましょう。【雑多な場所も「リズム」でアート空間に変わる!】


【Before】キッチンを例に説明。収納グッズを活用するなどしてアイテムを整理しているつもりでも、アイテムのテイストが違ったり、並びがバラバラしていたりでは雑然と見えてしまいがち。


【After】並べ方を、シンメトリーや大きさ順など一定の法則に合わせるだけで、美しく変身します。こだわって完成したキッチンは、あなただけのアート作品に。●同じものを複数並べる

「素材やデザインの違いを無視してバラバラなものをずらっと並べても、違和感が出て全体がアンバランスになってしまいます」。バランスよく見せるためには、共通する要素があるものを複数並べ、まとまり感を出すことが大切です。また、ひとつだと浮いてしまいがちなものも、複数並べることでその場にしっくりなじむ効果も。


子どものオモチャを、柄違いでそろえた小花柄のミニトランクでかわいく収納しているという正林さん。「棚のあいた上部分に3つ並べた木箱や棚の上に大小で並べた木のボックスには、こまごましたものを入れています」。


洗濯コーナーに床置きした、サイズ違いのほうろう容器。正林さんはこの中にストック品などをしまっています。「少しずらして縦に重ねることによって、ちょっと動きのある表情になりました」。●シンメトリーに並べる


ものを左右対称に並べると、安定感が出るうえに、全体がきちんと整頓されたように見える効果あり。「スペースを目一杯につかうとき、乱雑に見えないように私もよくやります」と正林さん。子どもの着替えやオムツ、DVDを白い布ボックスに分類し、オープン棚にシンメトリー収納。「オモチャ以外は、壁の色に合わせて存在感を抑えました」。●大きさ順に並べる


奥から手前、右から左というように、大きさ順に並べることで、見た目がグッと整います。これは、法則を見え化することで安定感が出てくるから。「わかりやすいから必要なときにすぐ手に取りやすいという利点もあるんです」。正林家のお茶のアイテムを集めたコーナーでは、上段に茶葉やコーヒー豆を入れた大小の容器を前後に並べ、その下にポットを大きさ順に横向きにつるして、パリのカフェ風に。
正林恵理子さん●教えてくれた人
【正林恵理子さん】
お菓子づくりを学ぶためにパリに1年間滞在。帰国後、助産師として働きながら、自宅カフェを開き、自作のお菓子を身近な素材でかわいく包むラッピング術を考案。包装作家として活動しつつ、パリのエッセンスを暮らしに取り入れた日々を楽しんでいる。著書に『パリで学んだ部屋づくり』(耷出版刊)など。

<撮影/山田耕司 取材・文/ESSE編集部>