母国の失態に苦言を呈したメノッティ(右)だが、メッシに対しては希望を託すようなコメントを残している。 (C) Getty Images/ (C) REUTERS/AFLO

写真拡大

 かつてアルゼンチンを指揮し、その辣腕で世界の頂きへと登り詰めたアルゼンチン人の老将は、苦境に立たされている母国代表をどのように見ているのだろうか?
 
 現地時間10月9日、元アルゼンチン代表監督のセサル・ルイス・メノッティが、アルゼンチン・メディア『Tycスポーツ』の取材に応じ、自らの見解を吐露した。
 
 現在、アルゼンチンはロシア・ワールドカップ南米予選で、残り1試合で出場枠圏外の6位に甘んじている。現地時間10月10日にキトで行なわれるエクアドル戦に勝利できなければ、大陸間プレーオフ出場枠の5位にも入れずに予選敗退という屈辱を味わうことになるのだ。
 
 本大会へは11大会連続で出場し続けてきたアルゼンチンにとって、この状況は言うまでもなく苦境だ。出場を逃せば、世界的な非難から免れることはできないだろう。
 
 そんなセレステ・イ・ブランコ(アルゼンチン代表の愛称)にモノを申したのがメノッティだ。
 
 メノッティはかつて、野蛮で粗暴なイメージのあったアルゼンチン代表に、美しく攻撃的なサッカーを浸透させ、1978年に母国で開催されたワールドカップでは、マリオ・ケンペスなどを擁したチームを率いて初優勝に導いた名将だ。
 
 そのマネジメント能力に秀でた手腕から“賢人”とも呼ばれる78歳の元代表指揮官は、今の代表チームに対して、「サンパオリのチームはエクアドルに勝って、ロシアに連れて行ってくれるはずだ」と、前置きをしたうえで、次のように警鐘を鳴らしている。
 
「ただ、我々がいま立たされている現実は、アルゼンチン・サッカー界に対する警告でもある。将来に向けてしっかりと見つめ直さなければいけない。二度と起こしてはいけないんだよ。そのために全クラブの会長たちとも、代表チームについて話し合う必要があるだろう」
 
 さらにメノッティの苦言は、アルゼンチン・サッカー界全体にも及んでいる。
 
「今日のアルゼンチン・サッカーは、世界の笑い者だよ。様々な売り買いをやることで、何百万ドルというカネを融和して、成功したつもりになっていたんだ。まるでサーカスさ。我々のサッカーは、ボールとファンの感情に強い結びつきがあるものでないとダメなんだ」
 
 さらに「いまのままでは、世界から取り残される」と、強い言葉で危機感を募らせたメノッティだが、現代表のエースであるリオネル・メッシについては、「マラドーナのように魔法を見せてくれる選手だ」と、エクアドル戦のキーマンとして大きな期待を寄せた。
 
 はたして、“賢人”メノッティの警鐘はアルゼンチン・サッカー界に影響をもたらすことはあるのだろうか? 大一番を迎える同国の、今後の改革に注目したい。