8月上旬。これまで何度か噂に上がっては消えを繰り返した、ロシア・ウラジオストクのビザ取得がついに緩和された。

 これまではロシアを訪れる際は事前申請のうえ、細かい制約があるという煩わしさがあったが、新制度導入により事前にネット上で申請することでアライバルビザの取得が可能になった。

 片道わずか、2時間弱。往復の航空券が5万円程度というリーズナブルさと気軽さを兼ね備え、身近なヨーロッパ都市として注目を集めている。そこで筆者は、ウラジオストクでの取材を敢行。そこから見えてきたのが、街中で見かける北朝鮮労働者の多さだった。本稿では2度に渡り、ウラジオストクの北朝鮮事情をレポートする。

◆“異常”な数を展開する北朝鮮レストラン

 ウラジオストクの人口は60万人前後。大都市というわけではなく、コンパクトな港町という印象を受ける。

 カラフルかつ小奇麗な街並みは、さらながら西欧で例えるならポルトガルといったところだろうか。ところが、街中ではアジア系の人物と思しき人物達と遭遇する機会が多かった。

「韓国、中国からの旅行者はここ数年で激増しています。近さと西欧と比較した物価の安さが人気の理由。一方で、万景峰号が出てきてから北朝鮮からの労働者も流れてきています。その証拠に、ウラジオストクには北朝鮮の国営レストランが5つもある。中国の大都市ならある話しですが、人口60万人程度の都市としては”異常”といえる多さといえるでしょう。それだけロシアと北朝鮮の関係性が良い証明ではないでしょうか」。(現地・駐在員)

 国営レストランで働くウエイトレスは、喜び組の予備軍達。その美貌を見るために、ウラジオストクに来る観光客達が「必ず訪れる」というほどだという。そこで、5つのウチ3つの北朝鮮レストランを訪れてみることにした。

 まず訪れたのは、地球の歩き方にも掲載があり最もポピュラーな「平壌」。19時前の入店に関わらず、店内は満席に近い。日本人の姿は見えないが韓国、中国、地元ロシアの顧客達で賑わう。料金は3品とビールで2000円強とリーズナブルだ。

「平壌は、ウラジオストクの北朝鮮レストランの中では最も形式が高く、例えるなら東京の銀座、大阪の北新地というようなクラスのウエイトレスがいるイメージ。その分お高く止まっている女性が多く、昔は写真撮影にも応えてくれたが、今は一切そういったサービスはお断りという状況です」(先出の駐在員)

 確かに見渡すとスタイル抜群な美人が締める割合が圧倒的に多い。料理の味は”そこそこ”といったところか。補足になるが、北朝鮮関連の質問には一切答えられないとのことだった。

 次に向かったのが、市役所裏で今年にオープンしたという新店。ここでは一風変わって、北朝鮮の伝統文化とウラジオストクの西欧文化をミックスさせたようなモダンな店作り。働く女性達も、都会というよりは素朴な田舎から出てきた女性という印象を受ける。

 料金体系や、メニューはほぼ平壌と同額。北朝鮮レストランに共通しているのが、明らかにお金を掛けていることがわかる内装面。特にこの店舗は、最も新しいお店ということもあり装飾品なども豪華そのものだった。小一時間ほどの滞在を経て、最も大衆的という店舗に向かった。

◆ほとんどが平壌出身。「インターネットができるのがうれしい」

 最後に訪れたのは、大型でクラブ兼スナックというような雰囲気を持つ某所。店内にはステージもあり、テレビからは北朝鮮の国内放送が垂れ流しされている。本来ならば取材は一切NGだが、交渉の末ウエイトレス2人に一問一答の質問をぶつけることに成功した。

内容は以下の通りだ。