犬のトリミングとは

ハサミやバリカン、トリミングナイフなどを使って犬の被毛を整える作業を指します。犬をシャンプーブローのみで被毛をカットする必要がない作業に関しては、グルーミングといいます。

余談ですが、「トリマー」という言葉は日本でしか通用しません。諸外国では「グルーマー」と言い、犬のカットだけでなく、飼育管理まですべて行う人の事を指します。

犬のカットの前の作業の重要性

まず、カットする前の作業でシャンプー、ブローをします。この作業をしなければカットまで進むことができません。そしてこの作業をベイシングといいます。

犬の全身の皮膚の状態を確認するため

このベイシングの作業中に、トリマーは犬の全身をすみからすみまでチェックします。ドライヤーの風をあててのブローは特に、飼い主さんが確認することのできない全身の皮膚の状態までチェックできます。

できものがあったり、外部寄生虫(ノミ、ダニ)がいたり、傷があったりと、ドライヤーの風をあてて地肌を見ないと分からないことも多くあります。まめに来店している犬であれば、できものが大きくなっているかどうかまで把握することができます。

そして、場合によっては獣医さんへ行ってくださいと、アドバイスすることもできます。病気等は早期発見が重要になってきますので、ベイシングは犬の健康状態を把握するのにも一役買っています。

ハサミ、バリカンが痛むのを防ぐため

また、トリマーが使う刃物(ハサミ、バリカン等)は非常に繊細かつ高価なものです。毛玉などうっかり切ってしまうと刃が傷んでしまうこともあります。

犬は、人間のように毎日お風呂に入ることはほとんどないと思います。ですから、犬の被毛は細かいちりやほこりが付着しています。

そのままカットすると、そのちりやほこりで刃物が傷ついてしまいます。傷んだ刃では仕事ができませんので、砥ぎに出さなくてはなりません。

シャンプー前にカットをしない理由

そして、カットは見た目も重要になってきますが、シャンプー前にカットして形を整えたとしても、シャンプーブローすると、毛が伸びてきますのでせっかく形を整えたはずが、またカットしなくてはならなくなります。

トリマーにとっては二度手間になりますし、犬にとっては長時間の拘束、負担になります。

なぜ犬をカットをするのか

今、一般家庭で飼われている犬は、見た目を美しくするためにカットをするということが一番の理由だと思います。

他の犬がおこなっていない個性的なカットをしたり、雑誌などで人気のスタイルにしたりと、人間に例えるならば美容室でおしゃれをするのと同じです。ちなみに、トリミングは美容です。

老犬の場合は

また、老犬では生活しやすくするために被毛を短くカットしたりすることもあります。被毛が長いままですと、食事や糞尿で汚してしまったり、飼い主さんが洗うのに時間がかかるからです。

時間がかかるのは老犬にもかなりの負担になります。そのため、お手入れしやすいように、汚れやすいところなどは短くカットしてあげることが重要になってきます。

トリミングの適切な頻度

では、適切な頻度はどれくらいでしょうか。

これは飼い主さんの考え方にもよるのですが、私は月に1回が良いと思います。基本的にトリマーは特に指定がなければ、カットのイメージとしてカット直後もかわいく、1か月後もかわいくとイメージしてカットします。

つまり、1か月後の毛の伸びを想定してカットしていくわけです。ですから、なんとなく伸びてきたな、目に毛がかぶってしまってきているな、という状況になったらサロンやショップに予約するようにしましょう。

1か月サイクルで来店する犬であれば、トリマーも前回の記憶が残っているものです。犬の全身のチェックも前回と比較することができます。

頻繁にサロンに行かない方がいい理由

また、逆にあまりにも短いサイクルでトリミングに出すのは、犬がきれいな状態を維持できるのはいいのですが、サロンやショップで使用しているシャンプー剤に気を付けてください。

トリマーは何頭も犬を洗いますので、連日シャンプー剤に触れ、お湯に触れ、ドライヤーを使います。ですので手荒れとは切っても切れない縁があります。

ありがたくない縁ですが、夏場でもハンドクリームは欠かせません。そのトリマーの手が尋常じゃないくらい荒れていたりしているサロンやショップで、短いサイクルで犬を洗っていたら、犬も皮脂が奪われ、乾燥肌になり、フケが出やすくなります。

期間を開けすぎない方が良い理由

あまりに期間が開いてしまうと、犬はもつれや毛玉だらけになってしまいます。

私の経験で、5年間散歩も行かず、サロンやショップに出さなかった犬を扱ったことがありますが、毛玉が全身を覆っていて歩くこともままならず、足裏は踏んでしまった糞尿で足裏の毛がまるで靴でも履いたかのようにガチガチに固まって肉球は見えない状態でした。

顔も毛玉だらけで目鼻がどこにあるのか分からず、耳も首の毛に毛玉としてくっついてしまっているという、パピーミルの親犬のような状態でした。(その子は一般家庭で飼育されていた犬です。)

毛玉をほどくのは時間がかかります。犬にとっても負担がかかってしまいます。

5年は極端ですが、3か月以上経過すると毛玉が広範囲に広がって、最悪毛玉を刈り取らなくてはならず、希望したスタイルにならないかもしれません。

まとめ

いかかでしたか。愛犬のきれいな状態を維持するのには、月に1度サロンやショップへ行くようにしましょう。その際、よいシャンプー剤を使用しているところを選んでくださいね。