ここまで無敗と好調なインテル。1月にさらなる補強はあるのか?(C)Getty Images

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 セリエA7節を終えて6勝1分けとスタートダッシュに成功し、首位ナポリと勝点2差の2位タイにつけるインテル。夏の補強は比較的小さな動きに留まったものの、ルチアーノ・スパレッティ新監督がソリッドな守備と縦に速い攻撃を拠り所とする組織的なチームを作り上げ、好調を維持している。
 
 2011-12シーズン以来のチャンピオンズ・リーグ出場権(4位以内)の確保が至上命題ながら、欧州カップ戦がなく国内リーグに集中できるという大きなアドバンテージもあり、当然8年ぶりのスクデット獲得への期待も高まっている。
 
 基本システムは4-2-3-1で、レギュラーが概ね固まってきた。リーグ最少失点(3点)を誇る守備陣は、GKに安定したセーブが光るサミール・ハンダノビッチ、CBにミランダと売り出し中の新戦力ミラン・シュクリニアル。バレンシアから加わったジョアン・カンセロがすぐ故障したこともあり、右SBは引き続きダニーロ・ダンブロージオがレギュラーを務め、左SBは長友佑都とダウベルトが日替わりで使われている。
 
 2000万ユーロ(約25億6000万円)という安くない移籍金でニースから引き抜いたダウベルトは、鋭いクロスなど攻撃面ではそれなりに存在感を発揮しているものの、軽い守備が散見されるうえ、周囲との連携もいまひとつ。とりわけ同格以上の相手には、運動量やアジリティーで上回る長友の起用が、今後は増えていく可能性が高い。
 
 2枚のセントラルMFは、ボルハ・バレロとマティアス・ベシーノのコンビが基本。ともにフィオレンティーナから移籍してきたため阿吽の呼吸で、ボルハはシンプルかつ正確な繋ぎ、ベシーノはアグレッシブな守備と持ち上がりで貢献している。
 
 ボルハをトップ下に回し、昨シーズンにブレイクしたロベルト・ガリアルディーニがベシーノとコンビを組むオプションもあるものの、この2センターだとビルドアップがスムーズでなくなるため、より守備を重視したい場面やターンオーバー時など今のところ限定的だ。
 
 2列目は、左サイドのイバン・ペリシッチ、右サイドのアントニオ・カンドレーバが不動で、トップ下はマルセロ・ブロゾビッチとジョアン・マリアを併用。そして前線には、エースであり、キャプテンでもある大黒柱マウロ・イカルディが構えるという陣容だ。
 インテルの最大の強みは、打開力に優れ、縦に速いスパレッティのサッカーを体現するペリシッチとカンドレーバ、その両翼が作り出したチャンスを高い確率でゴールに結び付けるイカルディの攻撃トリオだ。
 
 逆に不足しているのが創造性で、4節のクロトーネ戦(2-0)のように、引いて守る相手には手詰まりとなり、アイデア不足で終盤まで崩し切れないケースが少なくない。
 
 このウイークポイントを改善するため、冬の移籍市場での獲得を狙っているのが、ブロゾビッチやマリオよりもワンランク上の違いを作れるトップ下だ。
 
 そのトップターゲットに挙がっているのが、アーセナルのメスト・エジル。今シーズンは精彩を欠いてもはや絶対的なレギュラーではなくなっており、来年6月で契約が切れる(移籍金がゼロになる)ため、冬に放出されても不思議はない。
 
 もうひとりがパリ・サンジェルマンのハビエル・パストーレだ。ネイマールやキリアン・エムバペが加入で出番が激減しているため、本人も退団に気持ちが傾いている。
 
 故障もあり、ここ1か月はまったくプレーしていないものの、ネイマールが加入するまでは4試合で2ゴールと好調を維持していた。何より、パレルモで2年間イタリアのサッカーを経験しているのはプラスだ。
 
 エジルはマンチェスター・ユナイテッドやバイエルン、パストーレはアトレティコ・マドリーなどとの争奪戦が予想されるため、一筋縄ではいかないだろう。パストーレは3000万ユーロ(約38億4000万円)前後、エジルはそれ以上の移籍金が必要と見られ、年俸も高額なため、インテルにとっては安くない買い物となる。
 
 しかし、この「ラストピース」が埋まれば、CL出場権、ひいてはスクデット獲得の「切り札」となるはずだ。1月にどんな動きを見せるのか。今後の動向から目が離せない。
 
文:ワールドサッカーダイジェスト編集部