村上茉愛【写真:Getty Images】

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日本女子63年ぶりの種目別金メダル、国際体操連盟も賛辞「日本の次世代担う存在を証明」

 体操の世界選手権(カナダ・モントリオール)は8日(日本時間9日)、種目別決勝が行われ、女子床運動で村上茉愛(日体大)が14.233点で優勝。日本勢の金メダルは54年ローマ大会で平均台で優勝した田中(現姓池田)敬子以来、63年ぶり2人目で、床運動は史上初の快挙となった。“63年の苦難”を打破した歴史的快挙に対し、海外から「日本女子の欠乏を終わらせた」「東京に向けた日本の次世代を担う存在」と絶賛の声が上がっている。

 日本女子体操界のエースがまばゆい輝きを放った。村上は代名詞ともいえるH難度の大技「シリバス(後方抱え込み2回宙返り2回ひねり)」を決めるなど、圧巻の演技で14.233点をマーク。有力選手の棄権があったとはいえ、個人総合決勝で平均台で落下し、涙した雪辱を晴らした。

 床で金メダルは日本女子史上初という快挙の反響は海外にも広がった。国際体操連盟は公式サイトで「床でムラカミがついに金」と見出しを打ち、称賛している。

「この数年で日本男子選手に次々と多数のゴールドメダリストが現れる中、女子では1954年のケイコ・タナカが世界王者に輝いたわずか1回のみだった」と日本女子の苦難の歴史を振り返り、「しかし、マイ・ムラカミが欠乏を終わらせた」と言及。その上で最大級の賛辞を送っている。

「東京に向けた日本の次世代担う大いなる存在となるポテンシャルを証明」

「床でタイトルを獲得したのだ。この21歳はすでに2020年の東京五輪に向けた日本の次世代を担う大いなる存在となるポテンシャルを証明している」

 このように記し、村上が日本女子体操界を背負い、東京五輪に牽引していく逸材であると分析している。

 また、海外メディアも英紙「デイリーメール」が「日本のムラカミ、シライが世界タイトルを攻略」と男子跳馬で床に続く金メダルを獲得した日体大の僚友・白井健三とともに快挙を速報するなど、続々と報じられている。

 世界に響かせた「マイ・ムラカミ」の名前。日本期待の21歳の名は東京五輪でも脚光を浴びるのか。さらなる躍進に期待が高まっていく。