ガボン代表のオーバメヤン(右)とアルメニア代表のムヒタリアン(左)は、いずれもチーム力を考えると予選敗退はやむなしか。その点、サポーティングキャストに恵まれたオーストリア代表のアラバ(中央)は、本大会出場の可能性が小さくなかったが……。(C) Getty Images

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 ワールドカップ予選が大詰めを迎え、各地区で続々と出場国が決定している。

 もちろんその一方では、すでにロシア行きの道を絶たれた国もある。そしてその中には、キャリア初となるワールドカップ出場を夢見ながら、母国を予選突破に導けなかったスター選手も少なくない。残念ながらロシアの地でその雄姿を見ることができないスタープレーヤーたちをまとめたい。

 真っ先に名前が挙がるのが、ガボン代表のピエール=エメリク・オーバメヤンだ。日本の香川真司が所属するドルトムントの大エースで、2015年のアフリカ最優秀選手に選ばれるなど、世界トップクラスのストライカーのひとりに数えられる。

 生まれも育ちもフランスで、同国のU-21代表歴も持つが、A代表は父の祖国であるガボンを選択(母親はスペイン系フランス人)。しかし、その父もかつて選手としてプレーしたガボン代表は、オーバメヤン以外にトッププレーヤーがいない弱小で、自国開催で上位進出が期待された今年のアフリカ選手権(1月14日〜2月5日)でもグループステージ敗退に終わっている。

 PK戦の末になんとか2次ラウンドを勝ち上がった今予選も、最終ラウンドでは予想通り大苦戦。いずれもワールドカップに何度も出場している強豪であるコートジボワール、モロッコと同じ組に入る不運もあり、10月7日のモロッコ戦に敗れた(0-3)時点で予選敗退が決定した。

 普段はそのオーバメヤンと同じドイツでプレーするダビド・アラバも、予選で涙を呑んだワールドクラスのひとりだ。バイエルンの中心選手として活躍し、世界屈指の左SBと評される25歳は、オーストリア代表ではその幅広い能力を買われて主にMFを務める。

 オーバメヤンと違ってアラバは、マルコ・アルナウトビッチ(ウェストハム)、ユリアン・バウムガルトリンガー(レバークーゼン)、アレクサンダル・ドラゴビッチ(レスター)などサポーティングキャストに恵まれていた。だが、アラバ率いるオーストリアは、期待されながら惨敗に終わったEURO2016からの悪い流れを断ち切れず、今予選では最初の4試合で1勝1分け2敗とスタートダッシュに失敗。その後も出だしの躓きを取り戻せず、10月6日にグループ4位が確定し、プレーオフにも手が届かなかった。

 ヨーロッパでは、マンチェスター・ユナイテッド所属のアルメニア代表MF、ヘンリク・ムヒタリアンもすでにロシア行きを逸している。

 アルメニアはオーバメヤンのガボンと同様、タレント不足が明らかで、もともと予選突破は困難と見られていたが、案の定、ルーマニアにホームで0-5、モンテネグロにアウェーで1-4、デンマークにホームで同じく1-4の大敗を喫するなど他国に力の差を見せつけられ、早々と敗退が決定。2年目のマンUで攻撃陣を牽引するムヒタリアンをしても、ひとりの力ではどうすることもできなかった。

 アルダ・トゥラン(バルセロナ)、ハカン・チャルハノール(ミラン)、ヌリ・シャヒン(ドルトムント)らを擁するトルコも、10月6日に同勝点の2位アイスランドにホームで0-3と屈辱的な敗北を喫し、3位から4位に転落。最終節を残して、プレーオフ出場の望みも絶たれた。

 ヨーロッパ選手権にはコンスタントに出場している(過去6大会で4度出場)トルコだが、ワールドカップは大躍進を果たした02年の日韓大会以来、予選敗退が続いており、現代表で世界の檜舞台を知るのは37歳のキャプテン、エムレ・ベロゾールのみ。前述のアイスランド戦で100キャップの大台に達したアルダも、いまだ夢のステージに上った経験はない。

 これまでに挙げた選手以外には、チェコ代表のFWパトリック・シック(ローマ/21歳)、ギニア代表のMFナビ・ケイタ(RBライプツィヒ/22歳)という新進気鋭のヤングタレントも、すでに予選で姿を消している。いずれも本大会に出場していれば、一躍、世界的な名声を獲得していたかもしれない逸材だ。

 予選で敗れた選手にとっては、4年という年月はとてつもなく長く感じられるだろう。ここで取り上げたスタープレーヤーも、2022年には代表に名を連ねている保証はないし、すでにその頃には現役を引退している者もいるかもしれない。実際、ジョージ・ベスト(北アイルランド)、ライアン・ギグス(ウェールズ)、ジョージ・ウェア(リベリア)、ヤリ・リトマネン(フィンランド)などワールドカップの舞台を一度も踏むことなくユニホームを脱いだ名手は少なくない。