NZ戦は途中出場で存在感を放った小林(右上)と倉田(左上)、そして杉本(左下)はハイチ戦で先発で見たい。車屋(右下)は初キャップに期待。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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 10月6日のニュージーランド戦のスタメンが発表されたとき、豊田スタジアムのメディアセンターでは「あまり試さないんだね」、「代わり映えしない」、「けっこうガチだな」などという声がそこかしこから聞こえた。
 
 最後尾の川島永嗣をはじめ、吉田麻也、長友佑都、酒井宏樹、香川真司、山口蛍、大迫勇也と主力の名前が並び、本田圭佑と長谷部誠が招集外だった前提に立てば久保裕也と井手口陽介の起用も想定内。テスト色が強かった人選は槙野智章と武藤嘉紀の2人だけだった。
 
 ワールドカップ出場権獲得後で初の親善試合であり、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督も招集メンバー発表時に「ロシア行きへのサバイバル」を煽っていただけに、やや肩透かしのスタメンだったと言わざるをえない。
 
 後半に小林祐希、杉本健勇、乾貴士、浅野拓磨、倉田秋、遠藤航を投入して6枚の交代枠を使い切ったとはいえ、プレータイムは最長で小林と杉本の30分間。遠藤にいたってはピッチに送り出されたのがアディショナルタイムになってからだった。1-1に追いつかれたから中盤と前線を入れ替えて攻撃に変化を付け、勝ち越し後の試合終了間際に守備力の高いMFを入れるという采配は、サッカーにおけるほぼ常套手段だ。
 
 長谷部、本田、岡崎慎司のベテランが呼ばなかった中、同じく経験豊富な川島、吉田、長友、香川などを一気に外せば、チームの骨格やコンビネーションが崩れ、「新しい選手が多いとハイレベルに戦うのが難しくなる」という指揮官の懸念も理解できる。「ただ、そういった形でも勝たなくてはいけない」と、テストマッチとはいえ勝利の重要性をハリルホジッチ監督は強調してもいる。
 
 そもそも言うまでもなく出場機会とは、監督が与えるものではなく、選手が勝ち取るものだ。しかし、ハリルホジッチ監督は試合後の会見でこう語っていた。
 
「今年(10月と11月の4試合)は、たくさんの選手を見て、それぞれが何をできるかを見極めていきたいと思う。3月以降はメンバーやプレーの仕方がより固定されていくだろう。今のところはより多くの人数を見て、最終的に誰がこのチームに残るのかを見極めたい」
 
 ニュージーランド戦でこの言葉ほど試したとは言えないだろう。中途半端な印象が否めない。チームの骨格を崩さずに新戦力を試すのがテストマッチの意義だとしても、最長で30分程度のプレータイムで新戦力を「テストした」と言えるのか。しかも主力が怪我、不振、出場停止などに見舞われた時のバックアップが十分とは言えないポジションが少なくないのにだ。
 ブラジル、ベルギーと激突する11月は、「ベストメンバーでチームの力試し」、「ワールドカップで強豪国と戦う想定」にしたいはずのシリーズ。そう考えれば10月は国際経験の少ない選手を少しでも多くピッチに立たせ、真価を見極める2試合にすべきだろう。ニュージーランド戦はそれが十分にできたとは言えなかった。
 
 だから10月10日のハイチ戦では、「次の2試合目も新しい選手が何人か出る」という言葉通り、指揮官にはもっと思い切った采配を期待したいところだ。
 
 とくにテストしたいのがオプション不足の守備陣。CBとSBは2次&最終予選で全試合フル出場した吉田、怪我さえなければ不動の長友を休ませ、昌子源と植田直通の鹿島コンビ、初招集の車屋紳太郎を使いたい。川島以外は国際経験がほぼないGKは、東口順昭と中村航輔を前後半で交互にプレーさせてもいいだろう。
 
 中盤から前もニュージーランド戦では途中出場から存在感を放った小林と乾、倉田はもちろん、中盤の守備的カードになりうる遠藤、大迫と似た資質を持つ杉本をスタメンで試してもいいシチュエーションだ。さらにニュージーランド戦は左ウイングだった武藤のCF起用もトライしたいオプションだろう。
 
 もちろんここに挙げたすべてにチャレンジして半ばBチーム構成すれば、さすがにチームの成長に繋がらないだろう。しかし、少なくともその半分近くを実現しなければ、指揮官の言葉に反するし、貴重なテストマッチの機会を存分に活かしたとは言えないだろう。ハイチ戦のハリルホジッチ采配に注目したい。
 
取材・文:白鳥大知(サッカーダイジェストWEB)
 
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