あなたのその発言が同僚女性を失望させているかも?(写真:xiangtao / PIXTA)

こんにちは。はたらく女性のかていきょうしのタブタカヒロです。


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はたらく女性のかていきょうしとして女性のお仕事コンサルをしていると、頑張っている女性ほど多い「依頼事」があります。それは

「会社のグチを聞いてください」

なんだ相談事がグチかよ(笑)と男性は思ってしまうかもしれませんが、グチを実際に聞くと笑い事じゃないと気づかされます。そのグチとは、「頑張れば頑張るほど、オトコ社会に足を引っ張られるんです」という、今でもそんなことが起きているのか!とあぜんとする内容。中でも多いのが、オトコたちが無意識によかれと思って口にする「爆弾発言」です。たとえば、こんなグチです。

「この前上司に『ウチの会社はまだ男尊女卑だからサ、あまり目立ってもダメだよ』って言われたんです(怒)」

ウチは男尊女卑だと、明言しちゃうセンスがすごい(笑)。幕末でも戦前でも昭和でもない今、一部上場企業でもこんなことが起きています。男尊女卑発言は極端なケースですが、頑張る女性の足を無意識に引っ張るオトコはまだまだ多数派です。そういうオトコはどんな特徴を持つのか、実際にあったグチをベースにご紹介します。

頑張る女性をグチらせる3つの口癖

1. 「フツーに考えると〜」


オトコと違う観点で考える女性のアイデアを、「フツーに考えると」よくない、ありえないと無意識に否定する口癖です。アイデアを常識論で言下に却下されると、女性は全く腑に落ちず傷ついてしまいます。

2. 「それは〜の管轄だから」

女性はネットワーク力に長けているので、組織を越えて相談したり協力してもらったり、通常の業務から離れたビジネスを考えたりするのが得意。そんな頑張る女性の行動が、組織や役割の境界線を踏み外した行為に見えてしまう男性がいるのも事実です。立場論・組織論から、「それは〜の管轄だから、あなたがやるとカドが立ちますよ」と好意のつもりで言ったとしても、頑張る女性は行動範囲を狭められたと感じます。

3. 「あまり目立つと〜」

「あまりあなたが目立つと、面白くないと思う人もいる」。オトコ社会下で女性が登用されると目立つ存在になりがち。そのやっかみから「女性活用の時代で会社にヒイキされてるからだ」と判断してしまうオトコの一言です。オトコ本人は悪意なく発言してるつもりですが、頑張る女性はオトコたちのやっかみブラックホールに吸い込まれてしまうと危機感を覚えます。

オトコ社会の視点に立つと至って普通な考え方で、むしろ好意で伝えた一言であるだけに、発言するオトコが自覚して修正するのが難しい。女性が頑張るほど返ってくるこの手の口癖に、グチりたくなるのも仕方がないな……と思ってしまいます。

頑張る女性から会社のグチを聞いた後、ボクがお伝えすることはだいたい決まっています。ひょっとすると恋愛相談で彼氏のグチを聞いた後と同じかもしれません。それは、「さっさともっといい会社に転職したほうがいいですよ」。恋愛相談での「そんなヤツ、さっさと別れちゃいなよ」のお仕事版です。会社のことをグチる女性は、頑張っているだけにスキルも行動力もネットワークを作る力も高い。女性が働きやすい会社が増えてきたこのご時世に、いまだ変化できないオトコ企業にいて改善を待つのは時間がもったいない、とお伝えしています。

女性をグチらせるオトコの口癖を裏返すと、頑張る女性の3つの特徴が見えてきます。

会社の常識と違うことを考える

組織の枠を越えて行動する

マネジメントから支持を得る

経営論やイノベーション論には、この3つの特徴を生かしたメソッドがあります。会社のこれまでの常識とは違うイノベーションを起こすために、組織を越えたチームを作って、社長の支持のもとで特別なプロジェクトを遂行すること。通称「スカンクワーク」と呼ばれます。頑張る女性の行動をうかがうと、やっていることはまさに会社にとって新しいコトを生み出す「スカンクワーク」です。頑張る女性たちにそうお伝えすると、表情が急激に明るくなって「テンションがアガります!」と元気を取り戻してくれます。

オトコ社会の常識や枠にハマらない女性の思考やネットワーク力は、固定化したオトコ社会の変革をもたらすものだ。そう認識しているかどうかが、頑張る女性をグチらせるかアゲさせるかの分岐点のようです。

オトコ社会を変えるヒントは歴史上の革命にある

女性がオトコ社会という旧体制を変革するにあたっては、歴史上の革命からも学べる点があります。革命には暴力による革命と暴力を使わない平和的な革命がありますが、歴史上の「革命」の成功/失敗の統計をとると、平和的な革命のほうが、成功率が圧倒的に高いそうです(Erica Chenoweth and Maria J. Stephan 2012)。

また、平和的革命の成功例から、「小さな抵抗」を継続することで革命を起こす勇気とつながりが促進されることがわかっています。「小さな抵抗」は、小さなルールを破ったり、現状を面白おかしく風刺したりすることでいいそうです。

ちなみにボクがこれまで見てきた、グチる頑張る女性を励ますのがうまい男性たちにも、ある共通点がありました。グチの対象になっている偉い男性社員のことを、「あんなアホ、放っとけ!」と一蹴し、面白おかしく悪口を言うんです。女性のグチ対象をいっしょに嘲笑して「小さな抵抗」を共有することで、女性を勇気づけていたんだなぁと後になって気づかされました。

いまだにオトコ優位がはびこる職場は、女性には「オトコ独裁社会」に見えているのかもしれません。職場で頑張って目立つ女性がいたら、応援していますと一声かけるだけでも彼女たちは勇気づけられると思います。