コンビニ業界の知られざる裏側を、内情に詳しいライターの日比谷新太さんが詳細にレポートする当シリーズ。前回の「箱型スナック菓子」に関する話題に続き、今回取り上げるのは「最低時給アップがコンビニに与える影響」について。雇われる側にとって時給アップは嬉しい話題ですが、逆に雇う側にとってはどれほどの大きな負担となるのか。日比谷さんがシュミレーションを元に解説しています。

最低時給アップがコンビニ経営を脅かす

2017年10月に全国の最低時給が改訂されました。全国平均で約3%のアップとなります。

コンビニはアルバイトスタッフによって支えられているといっても過言ではありません。そんな彼らに支払う最低時給がアップすることで、コンビニの経営にも大きなインパクトを与えます。

以下は、全国における最低時給の改訂表です。ちなみに首都圏は、1時間当たり26円のアップとなります。

このように最低時給がアップすることで、コンビニの経営にはどのような変化が起こるのでしょうか。今回は仮に都内でコンビニを経営しているとして、そのP/L(損益計算書)を実際にシュミレーションしてみました。

激化するアルバイトの取り合い

コンビニの契約タイプは、オーナー自身が土地・建物を所有しているセブンイレブンAタイプとしています。なお、本部が土地・建物を用意する契約タイプの場合だと、上記にくわえて家賃・減価償却等がかかります。

このように時給が932円から958円に変化することで、深夜時間帯の割り増し時給もアップしますし、早朝勤務帯の時給もアップします。そのため手取り金額は、年間で約100万円も減ります。

ここ数年はアルバイトスタッフの採用・確保が難しくなっていて、最低時給以上の賃金で募集・採用している店舗も多々あります。東京23区内のコンビニですと、基本時給1000円が当たり前です。

しかし今回の最低時給のアップにより、コンビニ以外の業種も時給がアップします。そうなると、近隣他業種とのアルバイトの取り合いがより激化し、良い人材を獲得するためにはさらなる時給アップが必要となってきます。

コンビニ本部としても、今後は時給アップ分の対策(例えば加盟店に補償をする、本部チャージを減額する等)を行う必要性が高まってくるでしょう。FCビジネスである以上、加盟店経営を支えていかなくては、共存共栄は実現できないからです。

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出典元:まぐまぐニュース!