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前回に続き、新宿区の立ち食いそばを紹介したい。「立ち食いそば 曙」は、都営新宿線「曙橋」駅から1分のところ、細い路地中に佇んでおり、黄色い庇が目印になる。曙橋という駅だが、歌舞伎町の前から続く靖国通り沿いにあり、南に10分も歩けば新宿通りの四谷三丁目駅に出る。近くに「あけぼのばし通り商工会」のアーチが架かった商店街があり、またアパートやマンションも多く、単身者が多そうな気配がある。

○麺とトッピングはあえてバラバラ

早速店内に入ると、厨房対面、立ち食いカウンターのみの小さいお店。横にギッチリ並ぶと6人くらいのキャパだろうか。14時頃で先客は4人おり、サラリーマンのランチというよりも地元住民の遅い昼食、という雰囲気。店員さんも4人いたので、小さいながらも活気は十分であった。右に小さな券売機があるのでこちらでチケットを購入する。

食券は少し特殊で、まず「そば・うどん(温・冷)」(税込400円)を購入し、さらに別にトッピングを購入するシステム。具材はかき揚げや紅生姜天、なす天やたまご天、コロッケなど定番の揚げ物が中心。定番のわかめやきつねもあった。あえてバラバラで売っていることで、気軽に自分好みのアレンジができる。もちろん、どんな店でもコールすればいいだけなのだが……。

ひとつの具材に目がいった。「あけぼの」(税込200円)を注文し、「温かいそばで」とお願いする(計税込600円)。名前からしてこの店のオリジナルメニューだろう。説明書きによれば、「豚しゃぶ+温玉+梅おろし+かまぼこ」のセットとのこと。いずれも立ち食いそばの具材としては定番とは言えず、興味深い。

○梅おろしのおいしさたるや!

注文してから、2〜3分ほど待つ。天ぷらは注文を受けてからの揚げたてのようだった。油のはねる心地いい音がする。他の客から順番にそばが渡され、自分の「あけぼのそば」も到着。4つの具材は、写真の通り整然と盛り付けられている。スピードや回転重視ではなく、一つひとつを丁寧に仕上げた上品なそばだということが、見た目から伝わってくるようだ。

それぞれの具材は目新しくはないものの、そばに合わないわけがない。特に梅おろしは絶品。さっぱりとした辛味と酸味が、バランスのとれた強いダシ、香り高いそば(長野から直送の信州そばだとか)にマッチ。自宅でも真似したくなる。

決して派手な店構えではないものの、こだわりを感じる名店のひとつ。やや値が張るが、それに十分見合った味をいただくことができた。

○筆者プロフィール: 高山 洋介(たかやま ようすけ)

1981年生まれ。三重県出身、東京都在住。同人サークル「ENGELERS」にて、主に都内の銭湯を紹介した『東京銭湯』シリーズを制作している。