法大に連勝で15年ぶり勝ち点1…仮面浪人、2浪の3、4番でエリート軍団撃破

 東京六大学秋季リーグ戦は8日、東大が法大に8-7で競り勝ち、連勝で02年秋・立大戦以来の勝ち点を挙げた。実に15年ぶりという赤門軍団にとっては歴史的な「1」。しかも、破った法大は通算44度の優勝を誇り、スポーツ推薦で入学したプロ予備軍だから価値は高い。

 実際にこの日の法大のスタメンと出身校、高校時代の主な実績は以下の通りだ。

(遊)相馬(2年=健大高崎)※甲子園春夏8強
(二)川口(3年=横浜)※甲子園春1回戦、夏3回戦、
(左)森(4年=日大三)※甲子園夏2回戦、U-18日本代表
(一)中山(3年=履正社)※甲子園春準優勝、夏3回戦
(三)福田(2年=大阪桐蔭)※甲子園春4強、夏優勝
(中)向山(3年=法政二)
(右)小林(3年=中京大中京)
(捕)鎌倉(3年=日本文理)※甲子園春1回戦、夏4強
(投)長谷川(4年=聖望学園)

 9人中6人が甲子園出場経験があり、上位進出選手がズラリ。しかも、途中出場した面々でも、U-18高校日本代表の船曳海外野手(2年=天理)、U-15日本代表の鈴木昭汰投手(1年=常総学院)ら甲子園出場経験ある選手が投入された。いずれも当時からプロのスカウトの熱視線を集めていたタレントぞろいだ。

 対照的に東大のスタメンは以下の通り。

スタメン9人中7人が浪人…20人投入の法大に12人で戦い抜いた東大

(中)辻居(2年=栄光学園)
(三)山下朋(2年=東海)
(左)楠田(4年=桐朋)
(一)田口(4年=西大和学園)
(遊)山田(4年=桐朋)
(二)新堀(2年=麻布)
(捕)三鍋(3年=川和)
(右)杉本(3年=金沢泉丘)
(投)濱崎(2年=鶴丸)

 当然、甲子園出場経験者はゼロ。出身校で名前を聞く機会があるのは、野球ではなく、進学校としてだろう。東京の私立御三家の麻布出身の新堀を筆頭に名門校がズラリ。とはいえ、9人中7人が浪人経験者。3番・楠田は慶大で“仮面浪人”を経て1浪、4番・田口は2浪して現在24歳の4年生というキャリアも対照的だ。

 スポーツ推薦枠が15人ほどある法大に対し、猛勉強で受験戦争を勝ち抜いた東大は1年春は落ちた体力を取り戻すことから始まる。この日は豊富な選手層で20人を投入した相手に対し、東大はプロ志望届を提出した宮台康平投手(4年=湘南)らを投入したが、野手は1人のみの交代で計12人で戦い抜いた。

 15年春にリーグ記録の94連敗を止めた当時の相手も法大。ただ、白星を挙げても「(2勝1敗で勝ち点を得る)3試合を戦う体力がない」と浜田監督が話してきた。以来、体力強化に努め、2連勝で掴んだ勝ち点でもあった。そうなると、次なる目標は39季連続最下位からの脱出。赤門軍団の戦いは、さらに熱を帯びそうだ。