現役で介護の現場に携わっている、介護福祉士の肩書を持つ筆者です。

冬が来れば思い出す、インフルエンザとノロに加え、寒くなってきたら気をつけたいもののひとつに「ヒートショック」がありますね。

「あれでしょ? 寒いときに着ると、ぽかぽかとあったかい……」。

はい、それはヒートテックですね。

夏場にヒートテック仕様のTシャツを間違って着てしまい、熱中症になりかけました。

これはこれで、「怖い夏場のヒートテック」という記事が書けそうです。

■ご家庭の脱衣所は寒くないですか?

ヒートショックとは、ごくごく簡単に説明すると、寒暖の急激な差により、血管が収縮→拡張されて貧血になり、ぶっ倒れてしまうというもの。

寒い寒い冬場は、入浴の際、服を脱ぐと体温が下がります。

それが熱い湯に浸かると、出た時に血管が拡張しており、立ち上がった際に頭に血が足りなくなって貧血になってしまいます。

消費者庁のプレスリリースによると、入浴中の死亡事故が年々増加しているとのこと。

12月から2月にかけてが、全体の5割を占めるそうです。

その原因として考えられているのが、ヒートショックにより浴槽で意識不明になり、溺死してしまうということのようです。

ただでさえ、熱い湯に長く浸かっていると、のぼせて意識朦朧としてしまいませんか?

介護施設では、予防策として必ず冬期は、まず、脱衣所を石油ストーブやヒーターで暖めてから、利用者に服を脱いでいただきます。

(脱衣所にエアコンを設置しているところは、まずありませんので、ストーブを使います)

家庭では、狭い脱衣所でのストーブ焚きは火傷の恐れがあるため、温風ヒーターがオススメです。

暖かさの目安は、服を脱いでも寒くないくらい(筆者宅の脱衣所には、温度計を設置してます)。

冬は日中に入浴してしまう手もあります。

お風呂のお湯は、40度〜41度が上限のようです。

高齢になると、体感温度が下がっているので、ぬるま湯でも「熱い!熱い!」と訴える方が少なくありません。

一方、一般的にそれほど高齢でもない方は、熱々のお湯を好む方が多々いると思います。

■長湯は禁物。アルコールもダメ。

長く湯に浸かると、のぼせてしまうので、一般家庭でも危険ですね。

介護施設では、入浴の時間は長くても10分程度とされています。

利用者のみなさん、長湯が好きではないようで、特に問題はありませんが。

それどころか、風呂に入るのが嫌いな方が、けっこういらっしゃいます。

アルコールは、介護施設では原則禁止なため、酔っ払って入浴することはありません。

食後すぐも、一般的に血圧が下がっているので危険です。

介護施設において、入浴前には、体温と血圧をチェックしており、150mmHg以上は要注意。

180mmHgから200mmHg超えは、入浴NGとなります。

ご家庭でも、高齢者は日々血圧測定をしておいた方がいいと思います。

ちなみに、高齢になると高血圧になる方が多いのですが、正常値は120から139mmHgと覚えておくといいかと思われます。

日本高血圧学会によると、60代の血圧の目標値は140/90mmHg(血圧の値には、上と下がありますね)だそうです。

■ヒートショックになったらどうするの?

ヒートショックで意識がなくなったら、自分ではどうすることもできません。

家人がいれば助けてくれるかもしれません。

ただ、「ドスン!」と、ものすごい音で倒れたりしないと気がつかないかも!

「お父さん、まだ入ってるの?長いわねえ……」などと言われている間に、浴槽内で溺れていたり。

ということで、ヒートショック対策は、予防するに限ります。

万が一、倒れているのを発見したら、まず救急車を呼びましょう。

意識がすぐに戻ったとしたら、翌日には病院に行って検査してもらった方がいいです。

転倒時にどこかを打って内出血しているかもしれないし、高血圧の原因がわかったりもします。

溺れていたら、救急車を呼んでから心臓マッサージを。

緊急時の対応は、日頃から意識しておかないといざという時になにもできないのです。

心肺蘇生の仕方を、消防署の講習で習ったり、インターネットの動画サイトなどで調べておいて欲しいです。

小中学校の授業でも、ぜひ教えて欲しいですね(最近は教えているんですかね?)。

温泉でも気をつけましょう!

読者のみなさん、この記事を読んだからには、ヒートショックとヒートテックの間違いはおろか、

その予防策が知識として脳にインプットされたと思うのですが、いかがでしょう。

【参考】

※ 消費者庁「冬場に多発する高齢者の入浴中の事故に御注意ください! 」