<記者コラム:オトゴト>
 先日、米・ラスベガスで59人の死者を出した米史上最悪の無差別銃撃事件が起こった。狙われたのはカントリーミュージック・フェスティバル『Route 91 Harvest』の最終日公演の会場だった。

 2015年には仏・パリで同時多発テロが起き、米ロックバンドのイーグルス・オブ・デス・メタルが公演をおこなっていたバタクラン劇場もその標的の一つとなり、多数の犠牲者を出した。今年5月英・マンチェスターアリーナでおこなわれた米歌手アリアナ・グランデのコンサート時の自爆テロで22人が犠牲となったことは、記憶に新しい。

 アリアナはラスベガスの事件後、自身のTwitterに「心が張り裂けそう」などのコメントを投稿。哀悼の意を表した。その他にも様々なアーティストが自身のSNSなどで哀悼の意を表し、セリーヌ・ディオンは3日におこなったラスベガス公演収益を事件の犠牲者へ寄付することを発表した。

 自身のパフォーマンスの最中に事件が起きたジェイソン・アルディーンはインスタグラムに「今夜はものすごく恐ろしかった。今なお何を言えばいいのか分からないけれど、みんなに僕と僕のクルーが無事であることは伝えておきたい。僕の思いと祈りを今夜関わったすべての人に送ります。楽しい夜になるはずだったものを、楽しむために来た人々にこんなことが起こり、心を痛めています」と綴っている。

 こうした音楽の会場や観光地で無差別テロが起きるということは、実に嘆かわしいとしか言いようがない。しかし、こういう事件によって音楽を楽しむことに委縮してしまうようになれば、それは犯人たちの暴力に屈したことなる。

 今後の警備体制の見直しという具体的な対策も必要だが、同時に私たちは今、ライブやフェスティバルで友人や家族、恋人と思い切り楽しめる環境に感謝しながら心置きなくアーティストのパフォーマンスを楽しむべきではないだろうか。【文=松尾模糊】