ウェリントンが2ゴール! 福岡がJ1昇格に向けて勢いをつけそうだ。(C)SOCCER DIGEST

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[J2 36節]横浜FC 1-3 アビスパ福岡/10月7日/ニッパツ三ツ沢
  
 J1自動昇格圏2位をキープ――。熾烈な昇格争いを戦う福岡が、エースの待望の2発で貴重な勝点3を手に入れた。
 
 1-1で迎えた74分、自陣ゴール前でピンチを食い止めた福岡がカウンターを仕掛ける。ロングボールを受けたウェリントンが相手DFを抑えてポストプレーをこなし、持ち込んだ石津大介からリターンパスを受ける。そして約25メートルの位置からDF田所諒の股を抜く鋭いミドル弾をサイドネットに突き刺してみせた。
 
「パスを出す選択肢もあったけれど、僕らが欲しかったのは勝利。それに僕も最近ゴールを決められずにいたからね。その決断が奏功して、いいシュートを決められた。チームに勢いをもたらせたね」
 
 ウェリントンはそう2-1に突き放したゴールを振り返った。
 
 負傷が明けてから、2試合連続の途中出場となった。「先発落ちはやはり悔しいよ。ラテン系の血が流れているから人一倍にね。でも、その悔しさをプラスのエネルギーに変えることができた」。

 ウェリントンはこの一瞬に様々な気持ちを込めたと言う。確かにその想いが伝わってくる、まさに渾身の一撃と言えた。
 
 ゴールを決めた福岡の17番は石津と肩を組んでゴール裏のサポーターの祝福を浴びる。そのあとウェリントンが一目散に駆け寄ったのが、ベンチの横で黄色いビブスをつけていた控えメンバーのもとだった。神山竜一、堤俊輔、中村北斗、坂田大輔……すでに交代枠を使い切っていたため、この日の出場機会のない4人とがっちり抱き合い、歓喜の輪を作った。

 ウェリントンは頷いて振り返る。
 
「先発できない悔しさと勝利を欲する気持ちはまったく別。『1点取ってこいよ!』、『ウェリなら決められる!』と、今週ずっと一緒に練習してきたメンバーが声を掛けて、サポートをしてくれていたんだ。だから、その仲間と喜びを分かち合いたかった」
 
 福岡の井原正巳監督はウェリントンの『スーパーサブ起用』について、「そのパワーや得点力の高さ、強さが途中交代でこそ今は生きている。フレッシュな状態で入った彼を相手は抑えられない」と説明。ウェリントン自身も「監督の決断は尊重している。『その悔しさをプラスのエネルギーに変えてくれ』とも言われていた。そうすることができたよ」と受け止めていた。
 
 このゴールで勢いづいたエースは80分、PKで横浜FCにトドメを刺す3点目を決める。自身9試合ぶりの得点であり、2ゴール(複数得点)は19節(6月17日)の名古屋戦以来、約4か月ぶりだ。

 博多の男なら、気持ちを見せろ――。声を枯らすサポーターの応援歌に応えるような、エースの圧巻の活躍ぶり。そして、多くの選手が「チーム一丸の勝利」と声を揃えた。ウェリントンはも「チームがひと皮むけたところを見せられたよ」と笑った。残り6試合、福岡がここからグッと勢いに乗りそうだ。
 
取材・文:塚越 始