ジビエ料理の代表格、イノシシ肉を使ったぼたん鍋。

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【写真】「害獣」のシカやイノシシを「資源」として活用する取り組み

みなさんは「ジビエ」という言葉を聞いたことはありますか? ジビエとは、イノシシの肉やシカの肉など、狩猟によって得られる野生動物の肉のことです。政府は今年5月に、ジビエの利用をうながすモデル地区を整備する方針を明らかにしました。わたしたち消費者にとっては、まだなじみの薄いジビエですが、この施策でグッと身近になるかもしれません。

 

■ 山の動物たちを「害獣」から「資源」へ

そもそもイノシシやシカといった野生動物は、畑を荒らしたり人に危害を加えたりする「害獣」として駆除されてきました。近年ではその数が増えるとともに被害も拡大し、社会問題化しています。

この状況を打開する一手として、「害獣」を「ジビエ」という資産と見なし、新たなビジネスにつなげる動きが出てきました。今回のモデル地区整備もその一環で、2018年までに全国で12のモデル地区が誕生する予定となっています。

ジビエがなかなか市場に出回らない理由に、「扱っている業者が小規模」、「手に入るのが狩猟期間に限られている」といった問題がありました。それを解消するべく、モデル地区には市町村などが運営する処理加工施設が設置。地域で獲れた動物を一括して処理・加工・出荷することができるほか、ジビエの在庫を保管し、年間を通じて安定的に出荷できるようにする保冷施設も併設されます。

政府はこのほかにも、狩猟者のスキルアップや、外食産業や学校給食、さらにはペットフード業界へのジビエ売り込みなど、普及への後押しをする方針です。レストランやスーパーで、ジビエをあたりまえに食べられる日は、そう遠くないかもしれませんね。