「アメリカ産と中国産の食品は、極力、口にすべきではないのです」
 
そう話すのはジャーナリストの奥野修司氏。スーパーに並ぶアメリカ産の牛肉。加工食品に使われている中国産の農作物や鶏肉。これらの危険性は、私たちの認識レベルをはるかに超えているという。
 
日本は世界最大の農作物輸入国で、輸入先の上位2位がアメリカと中国。奥野氏に実態を聞いた。まずはアメリカ産食品。脅威の筆頭は、牛肉に大量に残留する女性ホルモンだ。
 
「現在、日本の牛肉消費量のおよそ4分の1がアメリカ産ですが、国産牛に比べて赤身でなんと600倍、脂肪で140倍もの女性ホルモン(エストロゲン)が含まれています。これは、成長を早めてコストを削減するため、成長段階で大量の女性ホルモンを投与しているから。中でも、もっとも作用が強いのが女性ホルモン・エストロゲンの一種のE1とE2で、アメリカ牛にはこれらが大量投与されています」
 
高濃度のエストロゲンを外部から摂取することは、ホルモン依存性のがん(乳がん、生殖器系のがん)の原因といわれている。
 
「もともとアメリカ在住の白人の乳がん発生率は日本の2.5倍ですが、近年、日本でも乳がんや子宮体がんなど、ホルモン依存性がんの発生率が増加しています。その原因の1つとして有力視されているのが牛肉。牛肉の輸入量は'70年ごろから増加していますが、この増加曲線がホルモン依存性がんの増加と一致するのです」
 
乳がんは、いまや日本女性のがん罹患数第1位。また'08年には、かつて日本人に少なかった子宮体がんの罹患数が、HPV(ヒトパピローマウイルス)感染が原因の子宮頚がんを超えた。
 
「エストロゲンが細胞のがん化にどう働きかけているかは明らかになっていませんが、影響がないはずがない。エストロゲンを投与すると乳がんが発生することは、半世紀も前のマウス実験でわかっています。'14年にはハーバード大学が、牛肉に代表される赤身肉は乳がんのリスクを22%高めると発表しました。とくに思春期前と更年期の女性は体内のホルモンバランスが崩れるため、影響を受けやすいといわれており、月経不順の原因にもなりえます」
 
ホルモン入りの肉を食べ続ければ、男性にも影響が出るといわれる。女性と同じくホルモン依存性がんの発症リスクが高くなるほか、精子減少の可能性も指摘されている。また、E2に比べて危険性は低いものの、アメリカ産鶏肉のE1の値は、牛肉よりも高いという。
 
アメリカ産食品の恐ろしさはホルモンだけではない。
 
「日本はとうもろこし、大豆、小麦のほとんどを輸入でまかなっていますが、輸入量1位がアメリカです。しかし、こうした穀物から、猛毒のアフラトキシンが大量に検出されています。アメリカは穀物を相場が上がったときに売るために長期間保存しており、どうしてもアフラトキシンが発生してしまうのです。これはカビ毒の一種で、強力な発がん性物質。さらに、この発生を抑えるべく、作物を農薬漬けにもしているのです」
 
加えて、予測不可能という点でもっとも恐ろしいのが、遺伝子組み換え作物だ。
 
「遺伝子組み換え作物には殺虫成分を遺伝子に組み込んだものと、除草剤に耐性のある遺伝子を組み込んだものとがあります。これらを口にすることは、殺虫成分や強力な除草剤を浴びた作物を食べることと同義なのです。厚生労働省は問題ないとしていますが、数十年後どうなるかは、誰にもわかりません」
 
アメリカ産以上に危険と言えるのが、中国産食品だ。
 
「中国では生活汚水の9割以上、工業排水の3分の1以上が未処理で河川に流されているという報告があり、土壌汚染が深刻です。中国の地元政府が隠しているデータを現地関係者から極秘に提供してもらったところ、長江河口での数値は日本の基準値と比べて水銀244倍、鉛3524倍、ヒ素1495倍、カドミウムで4.2倍という高さでした」
 
重金属の恐ろしさは、体内にたまる「蓄積毒」であること。日本でもイタイイタイ病や水俣病などの公害病が大問題になったが、これらの重金属がまさにその原因だ。続く脅威はDDTやBHCといった有機塩素化合物。いずれも強い発がん性があるが、同じく長江河口ではこのBHCも、日本の基準値の59倍もの量が検出されたという。
 
こうした汚染の影響がもっとも大きいのが米や鶏肉。多くは外食産業向けや加工食品として日本に入り込んでいる。
 
「また、アサリからは猛毒の除草剤が検出されています。今回、私の著書『怖い中国食品、不気味なアメリカ食品』(講談社文庫)で中国への潜入取材を担当した共著者の徳山大樹氏が『アサリを養殖する海に藻を取り除くための除草剤を直接撒いている』という現地の人の証言を得ました。漬け物工場では泥水のような水ににんじんが漬けられていたり、袋にも入れていない青菜の漬け物が、炎天下でトラックの荷台にじかに積まれるのを見ています」
 
避けていたつもりの「遺伝子組み換え食品」も、表示されないまま多くの食品にまぎれこんでいる――。恐怖の汚染食材から身を守るのは、あなた自身なのだ。