これまで3カ月にわたり、男性とのLINEのやりとりを厳しくジャッジしてきた女性たち。

しかしそれはLINEだけでは終わらない。次のステップ、「デート」でも同様だ。

LINEよりも難易度が高い『デートの答えあわせ【A】』で、その本音を探ろう。

事前に“朝が早い”と言いながら、ハヤトとのデートで2軒目にも付き合った陽菜。しかし2軒目でそそくさと帰ってしまう

その答えや、いかに。




ハヤトさんと出会ったのは食事会だった。

赤坂にある大手広告代理店勤務。仕事上、多くの代理店マンに会うが、遊び人のイメージが強い。

「ハヤトさん、代理店勤務なら遊びなれてますね。」

ストレートに、本人にそのことを口にすると、“僕は真面目だよ”なんて返答が返ってきて、思わず笑ってしまった。

「陽菜ちゃんは、今彼氏いないの?」

会って早々にこの質問を投げかけられ、少し返信に困ってしまう。

現在、彼氏はいない。でもいないと答えると、毎回男性からは同じ質問が返ってくる。

“なんでいないの?”“前の彼氏はいつ別れたの?”と。

しかし、素直にいないと答えると、ハヤトさんは突っ込む訳でもなく、驚いた訳でもなく、ごく自然に距離を縮めてきた 。

「そしたら今度、食事でも行こうよ。」

こうして連絡先を交換し、LINEのやり取りを続けている間に二人で食事に行くことになった。

しかし、念のため、前日に来たお店の詳細LINEに対して私は一言付け加えるのを忘れなかった。



“明日朝が早くて”と事前に言う、女性の思惑とは?


A1:様子見のデート。つまらなかったら早めに帰れるための布石


ハヤトさんが予約してくれたのは、『十番右京 恵比寿店』だった。

麻布十番のお店の方には何度か足を運んだことがあったけれど、恵比寿店は初めて。ナイスチョイス、と心の中で呟きながら、店に入った。

店内は和と洋のテイストがミックスされており、斬新なデザインだった。また、ルイ・ヴィトンのモノグラム柄の畳の縁やコースターなど、見ているだけで面白い。

「十番にある右京とまた雰囲気が違って、面白いですね!」
「本当だよね。でも、十番店の名物料理は、恵比寿店でも楽しめるみたいだよ。」

大好きな「海の卵がけご飯」を思い出し、思わず生唾を飲み込む。ハヤトの店選びは、合格だった。




話題のレストランに行けるのはとても嬉しい。ある意味、デートの醍醐味でもある。

初デートだもの。やっぱり、女同士では行けないようなお店に連れて行って欲しい、というのが女子の本音だと思う。

「ハヤトさんは、十番店の方にもよく行かれるんですか?」

そんな会話が糸口となり、仕事や家族構成などを話しながら、食事は楽しく進んだ。

実は最初、私はハヤトさんを警戒していた。

人を職業で判断してはいけないのかもしれないが、代理店勤務の28歳。遊びなれていると思うし、女性の扱い方もうまい。

そして、初対面の時から何となく私に好意があるのは伝わってきた。

一緒にお食事には行きたいけれど、実際に二人で食事に行ったらどうなのだろうか?楽しくない場合もあるし、強引に2軒目に付き合わされる可能性もある。

だから、私はデートの前日に、布石としてこの言葉をLINEで送った。

「明日朝が早い」、と。

この言葉さえ事前に伝えておけば、どんな状況においてもエクスキューズできる。つまらなかった場合は1軒目で帰れるし、強引に誘われぬよう、何となく防御線を張れる。

そして今回のように、楽しかった場合はこう言えばいい。

「せっかくですし、もう1軒、行きますか?」

最初から2軒目に行く流れよりも、最初はダメかもと思わせておきながら行けるようになった方が、「デートが楽しい」という思いを伝えられる気がする。

「時間は大丈夫?」

ハヤトさんが言葉では心配しながら、でも顔は嬉しそうに微笑んでいる。

「大丈夫です、ちょっとだけなら。」

こうして私たちは2軒目のバーに移動した。そして私は、2軒目の彼の行動で、早々に帰る決意をする。


いい感じだったのに、2軒目で早々に帰った陽菜。その理由とは...?


A2:少しでも下心が垣間見えたら、引いてしまう


ハヤトさんが連れて行ってくれたバー『THE PLATFOAM』は小さいながらも雰囲気の良い店だった。

「陽菜ちゃんは、何飲む?」

オーダーを言おうとした時、不意にハヤトさんと肘と肘がぶつかりあった。

「そうだなぁ。赤ワインをグラスでいただこうかな。」

少し恥ずかしくて肘を引っ込めた時、 ハヤトさんの手がごく自然に、さりげなく、私の背後に伸びてきた。




気づけばハヤトさんは私の椅子の背を掴んでおり、急に私はハヤトさんの腕の中に包まれたような体勢になっていた。

さっきも隣り合って座っていたのに、急に近づいてきたハヤトさんを振り払うこともできず、どうしたものかと思いながら、体を動かさないようにしながら冷静にワインを飲む。

-2軒目に行けるということで、妙な期待をさせてしまったのかな...

初デートでの男性からのボディタッチに対し、女性は身構える。

どうして焦る気持ちを、抑えられないのだろうか?少しでも男性の下心が見えると一気に冷めてしまう。“結局、目的はそっちだったの?”と思うから。

下心がある男性は山ほど見てきた。だからこそ、体ではなく心を見てくれるような男性に惹かれるのだ。

段階を踏んだ後ならば良いけれど、初デートでこの距離の詰め方は急すぎる。もう少しゆっくり進めてもいいはずなのに。

「陽菜ちゃん、次は何飲む?」

この一言で、我に返った。このまま飲んでいても意味はない。やっぱり、あの言葉を先に言っておいて良かった。

「すみません...明日、朝が早いからそろそろ帰りますね。」

つまらないデートの時、早く帰りたい時に使える最高に便利な一言。この後がないと判断した場合、この断り文句ならば相手に言っても、角は立たないだろう。

事前の布石としても使えるし、実際にデートの最中に抜け出したい時にも使えるこの言葉に、女性はいつも助けられている気がする。

「ありがとうございました!」

店を出てお礼をすると、私はそそくさとタクシーに乗り込んだ。初デートは、アッサリ帰してくれるくらいの人の方が女性は追いかけたくなるのに。

そして携帯を見つめる。金曜23時の恵比寿、誰かこの界隈で飲んでいる友達はいないかしら?

だって明日は土曜日。
明日の朝は、のんびりできる。決して、早くなんかない。

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デートの答えあわせ【Q】:二人きりの食事に行けた時点で、答えは出ている?