というのも、4-2-1-3の中盤では、香川選手がポジションをよりゴールに近い位置に移すことができることに加えて、山口蛍選手と井手口陽介選手も立ち位置や判断に迷いがなくプレーできているように見えるのです。
 
 長谷部選手がいればまた別ですが、山口選手や井手口選手は「動く」あるいは「動き続ける」ことでリズムを作る選手です。あまり「動かない」という選択をしなくていいダブルボランチは、現時点の彼らにはやりやすいのだろうと思います。
 
   いずれにしても、まずはこのふたつのシステムとやり方をもって、来月の強豪国(ブラジル、ベルギー)とのテストマッチに挑むことになります。そこでどのような粗が表面化してくるか。それによって最後の半年間のロードマップが示されるでしょう。
 選手たちはまず、あとひと試合でそこへの挑戦権を得られるかが決まります。次のハイチ戦は新たにチャンスを与えられるであろう、後ろの選手たちの立ち居振る舞いに注目してみましょう。

【PHOTO】日本×ニュージーランド戦の美女サポーターたち❤
 

【著者プロフィール】
岩政大樹(いわまさ・だいき)/1982年1月30日、山口県出身。J1通算290試合・35得点。J2通算82試合・10得点。日本代表8試合・0得点/鹿島で不動のCBとして活躍し、2007年からJ1リーグ3連覇を達成。日本代表にも選出され、2010年の南アフリカW杯メンバーに選出された。2014年にはタイのBECテロ・サーサナに新天地を求め、翌2015年にはJ2岡山入り。岡山では2016年のプレーオフ決勝に導いた。今季から在籍する東京ユナイテッドFCでは、選手兼コーチを務める。