ボールを蹴り返したハリルホジッチ監督。イライラはピークに達していた

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 勝利のカギはハリルの“口封じ”か――。サッカー日本代表は6日に行われたキリンチャレンジカップ(豊田)で、ニュージーランドに2―1で辛勝した。国際サッカー連盟(FIFA)ランキング113位の格下相手に大苦戦。攻守に課題山積の試合内容だった。ロシアW杯に向けてバヒド・ハリルホジッチ監督(65)のサッカーに閉塞感が漂う中、日本代表監督の“先輩”が指揮官に緊急提言。厳しい言葉で今後に進むべき道を示した。

 W杯予選後初の試合となった日本だが、攻めては決定力不足を露呈。守っても相手に攻め込まれる場面が目立つ消化不良の内容に終わった。ハリルホジッチ監督もイライラが収まらず、前半36分にはFW武藤嘉紀(25=マインツ)がピッチ上にうずくまった際に、ニュージーランド選手が外へ出そうとしたボールをピッチに侵入して蹴り返し、審判に注意される一幕もあった。

 試合後も指揮官は「簡単な試合ではなかった。ゲームコントロールがうまくいかなかった」と不機嫌モード。はるかに格下を相手にホームで辛勝なのだから、W杯に向けて不安は増すばかりだ。しかしチームがなかなかうまく機能しないのは、ほかならぬ指揮官自身に問題が多いから。元日本代表監督の石井義信氏(78)は「予選を突破してよかったが、次(本大会)の上を目指した時にまだまだ」としたうえで指揮官の不安をこう指摘する。

「監督があまりにも細かいことまで言い過ぎると、選手がそれ以上のことを萎縮してやれなくなる。選手が伸び伸びできるかがポイント。日本人に合ったやり方が大事だ」

 ハリル流の代名詞である厳しいチーム管理は規律をもたらす一方で、ピッチ内外で選手の個性を殺しかねない。今回の合宿でも画一的に体脂肪率の基準を押し付けたり、全勝宣言で選手に余計な重圧を与えたりと、チーム内は常にピリピリムード。全体的に余裕がなくなった。

 そもそも、監督が過激発言を繰り返せば、チームの不安定さに拍車をかける。それだけに、最近激しさを増している“舌禍癖”は気になるところ。ハリルホジッチ監督はW杯出場決定後の会見で「私をいつでも解雇する力は会長にはある」「私の判断が大多数を納得、満足させていないこともあるかも。協会の中でもそうかもしれない」と話すなど、身内である日本サッカー協会に対しても際どい発言を連発してきた。

 これを石井氏は問題視。「そういう話は本来なら霜田(正浩・前技術委員長=50)がいた時は霜田に話していたと思う。監督と技術委員長、副委員長が直接どの程度コミュニケーションを取れているか分からないが、今は一番みんなが聞いている場で言っちゃえとなっている。そういう問題は中で解決して表に出さないでほしい」。代表監督の発言はチーム内外に大きな影響を与えるだけに“分別”を求めた。

 代表チーム活動期間外の行動にも注文をつける。「監督自身が、選手の数が多い国内クラブの練習を見に行って監督や強化担当と直接話をするべき。そうすれば彼に対する信頼度も変わってくる」。試合視察以外でも積極的に各クラブへ足を運んで意見交換し、選手の情報を収集することで、これまでの過激要求や発言に対する誤解も解け、代表チーム強化にもつながるというわけだ。

 勝てば官軍、というわけにいかないのが今の日本代表。今後のハリルホジッチ監督の行動や言動が日本サッカーの命運を左右しそうだ。