練習後、ファンサービスするDF長友佑都

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 2-1で勝ったニュージーランド戦から一夜明けた7日午前、日本代表は愛知県豊田市内で練習を行った。左太腿裏痛のFW原口元気(ヘルタ・ベルリン)は引き続き別メニューで調整。ニュージーランド戦に先発した11人はランニングなど軽めのメニューで切り上げた。チームは同日午後に移動し、10日のハイチ戦(日産ス)に向けて調整を続ける。

 ニュージーランド戦は5バック気味に引いて守る相手を攻めあぐねたが、その試合内容がロシアW杯に直結するわけではない。DF長友佑都(インテル)は「失点につながるクロスを上げさせた場面もそうだし、課題は個人としてもたくさんある」と反省しながらも、ブラジル、ベルギーと対戦する11月の欧州遠征を見据え、「強豪相手に今のサッカーがどう通用するか」と、“格上”とされる相手にこそチームの本領が発揮されると考えている。

「今のサッカーは、相手にボールを持たせて、カウンターを狙う戦術。メンバー的にもそういう特長のある選手が多いし、チームとしてポゼッション率を高めたいサッカーをしているわけではない」。ニュージーランド戦は日本のボール支配率が61%と圧倒したが、「ボールを持たされたときに何ができるかは難しい部分がある」と、むしろポゼッションしたときに課題は多い。

 とはいえ、来年6月開幕のロシアW杯では相手にボールを持たれる試合が多くなることが予想される。そのときには日本の強みが生かされるのではないかという予感もある。その根拠の一つとしてあるのが、10年南アフリカW杯の経験だ。FW本田圭佑を1トップに据え、MF阿部勇樹をアンカーに置いた守備的な布陣で自国開催以外のW杯で史上初の決勝トーナメント進出を成し遂げた岡田ジャパン。当時、初めてW杯のピッチに立った長友は「南アのW杯のときのサッカーに近いのかな」と、当時と比較して共通する部分が多いと感じている。

「南アのときのようなサッカーが今の日本にとってはいいんじゃないかなと。監督が目指しているサッカーが日本で唯一、世界で結果を出す可能性を高めるサッカーかなと思っている。相手にボールを持たれても、みんなで守って、泥臭くボールを奪って、カウンターを仕掛けるサッカーが一番合っている」

 南アフリカW杯後はアルベルト・ザッケローニ元監督の下、日本がボールを保持し、自分たちからアクションを起こしていくサッカーを志向。「自分たちのサッカー」を標榜し、選手たちも攻撃的なサッカーで世界一を目指したが、14年ブラジルW杯は1分2敗の未勝利でグループリーグ敗退と、世界の“現実”をまざまざと見せつけられた。

「いろいろ経験してきたので」。“原点回帰”とも言える考え方の変化についてその理由を語る長友は「次のW杯で自分たちがポゼッションしていくサッカーは自分自身、想像していない」と力説。ハリル流の堅守速攻スタイルに磨きをかけ、再び世界の舞台に挑戦するつもりだ。

(取材・文 西山紘平)