長友佑都(撮影:Noriko NAGANO)

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長友佑都は、今の日本代表が南アフリカワールドカップのときに似ているという。

現代表には「今のままではワールドカップでは結果が残せない」「すべてにおいて精度を上げなければいけない」という課題があると表情を曇らせつつも、チームの方向性の正しさはしっかり認識している。

「相手に持たせてカウンターを狙う」という戦い方は、南アフリカワールドカップのときのサッカーに近いと感じていた。監督は「ポゼッションで勝てるわけではない」という割り切りを求めているという。

アルベルト・ザッケローニ監督時代の自分たちがポールを支配してから勝つという方向からは180度違っている。だからこそ「自分たちがボールを持たされたとき、どうなるか」という点も長友は危惧していた。

だが、ニュージーランド戦で言えば乾貴士が登場したあとは、左サイドを中心に完全に主導権を握り、日本が相手を翻弄していた。

「ひとつ言えるのは乾みたいなボールを持てる選手があとから入ってくることで崩せるオプションができるというのはあります。相手が引いて5バックになっても最終的に点を取れた」。それは4年前の日本代表の姿だったかもしれない。

ニュージーランド戦で見られなかったのは、香川真司と乾が揃ったときの姿だった。カウンター中心から試合を支配するスタイルに変更するためには、2人が揃ったほうがよかったはずだ。そう聞いたとき、長友は疑問を口にした。

「相手の運動量が前半と後半で全然同じじゃなかったので。(乾)貴士が前半から出ていたら何ができたかというのは興味があるし、(香川)真司が後半から出ていてあれだけスペースがあったら何でもできただろうし」

後半、相手の運動量が落ちているにもかかわらず、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督が乾と香川をピッチで並べなかったのには意図があったということだろう。2人がいれば、華麗にボールを回せたに違いない。だが、そういう選択をしないということは、監督に迷いがないということだ。

長友はロシアワールドカップで日本がポゼッション率を高めて勝つサッカーをするイメージを持っていないという。「それでは結果が残せないかなと思います」。長友は断言する。

南アフリカでベスト16に進出し、意気込んで臨んだブラジルでは惨敗した。長友の勝利だけを考えた姿勢からは、ブラジルでの悔しさが今も深く刻まれていることを表していた。

【日本蹴球合同会社/森雅史】