「小池知事は自民党にも手を突っ込んでくるつもりだ」――。自民党内は疑心暗鬼になっている。

 衆院選不出馬の観測が高まる小池都知事。率いる希望の党が早くも失速していることもあり、小池知事の狙いは選挙後に自民党の一部と連立政権を組むことにあるのではないかという見方が広まっている。

 まことしやかに囁かれているのが、自民党の中でも気脈を通じる石破元幹事長を担ぎ、石破派・希望連立政権を樹立するシナリオ。希望の党が、石破氏や側近の鴨下都連会長の選挙区に候補を擁立していないことなどが、連携の臆測を呼んでいる。

 5日、民進党の前原代表とのランチ会合後、ぶら下がり取材に応じた小池知事は、あらためて出馬を否定。では、希望の党は選挙後の首相指名選挙で誰の名前を書くのかという問題について、1994年の「自社さ政権」を持ち出し、他党の議員を指名することをにおわせた。

「奇策で揺さぶりをかけてきた。ただ、小池知事は『おっさん政治の打破』をアピールしているのに、それで担ぐのが石破のおっさんでは目新しさがないし、石破氏には党を割る勇気もないだろう。おそらく小池知事の本命は、かねて親しい野田聖子総務相だ。野田氏自身も総理を狙う野心は人一倍だが、無派閥だから総裁選で勝つことは難しい。本気で総理を目指すなら、“小池派”に乗っかるのは一番の近道だ」(自民党ベテラン議員)

 小池知事は、野田氏の選挙区にも候補を擁立していない。民進党の公認予定者が希望の党から出ようとしたが、認めなかった。

「小池さんは7月ごろに野田さんと話をして、国政政党の共同代表に就くことで合意していたそうです。その後、内閣改造で野田さんが入閣したことで、この話はご破算になりましたが、もともと国政は野田さんに任せるつもりだったのです」(希望の党関係者)

 都議選の直後、小池知事は民進党の蓮舫前代表にも「女ツートップでどう?」などと連携を持ちかけていたという。女性政治家が「おっさん政治」をリセットするという構図はわかりやすい。野田首相とは、いかにも小池知事が考えそうなことだ。

「現段階で石破氏の名前が流布されているのは煙幕だと思います。希望の党がどのくらい議席を取るかも分からないのに、野田氏を担ぐというのも“頭の体操”レベルの話でしかない。小池氏は、選挙後に自分と政党の存在価値をどうやって高めるかしか考えていないように見える。しかし、反自民の受け皿と思って投票したら、選挙後は自民と連立なんて、有権者に対する裏切り行為です」(政治ジャーナリスト・山田厚俊氏)

 代表に就任し、「政権交代を目指す」と宣言した以上、小池知事は首相候補として出馬し、結果に対して責任を負うべきだ。