(写真提供=SPORTS KOREA)

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平昌五輪を間近に控え、もっとも注目を集めている競技の一つがフィギュアスケートだろう。

それは、お隣・韓国でも同様だ。

最近は9月30日のネーベルホルン杯で、女子シングルに続いて男子シングルとアイスダンスの出場権も獲得したことを受け、韓国メディアは連日、代表候補たちの動向を報じている。

キム・ヨナが引退を考えたほど!?

ただ、日本ではフィギュアはお金のかかる競技というイメージが強いが、韓国のフィギュア選手たちも経済的負担は大きい。

韓国メディア『日曜新聞』が“韓国フィギュアの未来”呼ばれる女子ジュニア選手のユ・ヨンを取り上げた記事で、彼女の母親がこう語っているのだ。

「ひと月にかかるお金は平均して500万ウォン(約50万円)程度。最低でもこのぐらいはかかります」

少なくとも年間で6000万ウォン(約600万円)程度の負担があるということだが、海外で練習を行うときには、ここに加えて1000万ウォン(約100万円)以上の支出があるのだという。

トップ選手ともなれば海外遠征や大会も増えるため、さらに負担が増えると推測できるだろう。

ノンフィクションライターの柳川悠二氏は、『NEWSポストセブン』に寄稿したレポートで、日本のフィギュア選手の負担額は年間500万円程度と伝えている。

日本と韓国でかかる費用に大差はないようだが、いずれにせよ経済的な負担が大きいことは事実だ。

実際、キム・ヨナもバンクーバー五輪で金メダルを獲得した2010年に、韓国のテレビ番組でこう語っている。

「リンクのレンタル料もコーチに支払うレッスン料もすべて自己負担です」

「中学生の頃には家の経済状況が苦しいことを感じ、スケートを続けるべきかやめるべきか悩みました。もうやめようという話も何度もしました」

もちろん、選手たちに公的な支援がないわけではない。

日本でもオリンピック協会やスケート連盟の強化選手に指定されれば支援を受けられるように、韓国にも「グローバル人材支援金」などがある。

ただ、日本と同様に、こうした支援だけでフィギュア選手として活動していくのは難しいのが実情だ。

収入面では韓国が有利?

もっとも、収入の面では、日本よりも韓国の方が条件が良いと言えるかもしれない。

国際スケート連盟(ISU)主催の大会では上位入賞者に賞金が贈られているが、全日本選手権大会など国内大会の賞金はなんとゼロ。

一方、韓国では国内大会でも賞金が設定されることもある。

例えば今年1月の第71回全国男女フィギュアスケート総合選手権大会では、男子シングルで優勝したチャ・ジュンファンが500万ウォン(約50万円)を獲得していた。
(参考記事:羽生結弦の師ブライアン・オーサーがチャ・ジュンファンを「羽生と似ている」と絶賛する理由

とはいえ、大会の賞金だけではフィギュア選手として活動していくのは難しいため、日本同様、韓国でもスポンサー契約やテレビ出演などで収入を得るのが主流となっている。

実力で日本よりはるかに後れをとっている韓国のフィギュア選手たちにとっては、厳しい状況と言えるだろう。

平昌五輪では、そんな選手たちの苦労を知ったうえでフィギュア競技を観戦すると、また違った面白さがあるかもしれない。

(文=李 仁守)