城下町・島原にある「まちの駅 まちの寄り処 森岳」は、観光客が気軽に立ち寄って休憩や情報収集、交流ができるスペースだ。建物は島原でもっとも古く、天保13(1842)年に建築された薬種問屋の旧家屋。国の登録有形文化財にも指定されている。

 歴史があるのは建物だけではない。玄関先で旅人たちを出迎えるかつおは、推定年齢25歳。人間でいえば100歳を超える長寿ねこなのだ。

「雲仙普賢岳の災害があった1991年、近くの線路脇で見つけて保護したんです。手のひらにのるほどの大きさだったから、まだ生後2週間くらいだったのかな。放っておけず、哺乳瓶でミルクをあげて育てたんです」(飼い主で「まちの駅」駅長の長濱七郎さん)

 当時、長濱さんは島原市役所のそばでギャラリーカフェを営んでおり、たまにかつおを連れていっていた。そこで、市役所の職員や報道関係者にかわいがられるようになったという。

「今はだいぶ薄い色になりましたが、若いころは濃い赤茶色で、毛並みがとっても美しかったんですよ」(長濱さんとともにかつおを世話する三浦則子さん)

 数年前までは外で観光客の足元にすり寄り、「客引き」していたというが、今は建物の中で寝ていることが多い。

「年をとってからは、とくに甘えん坊になったね。仕事が終わってテレビを観ていると、私の膝の上に両方の前足だけを乗せてきて、ゴロゴロいうんですよ。それがいとおしくてね」(長濱さん)

 かつおは大病はしたことがないが、白内障が進み、数カ月前から両目が不自由になった。トイレに行くときなどは、壁にぶつかることもある。ただし食欲は旺盛で、とても元気そうだ。

「歯もほとんどないのに、今でも一日最低3食、多いときは5食、食べます」(長濱さん)というから、長寿の秘訣はよく食べることなのだ!

(週刊FLASH 2017年7月11日号)