なぜ長友佑都は競争を歓迎するのか “ライバル論”を激白「レベルの低い戦いはしたくない」 

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ニュージーランド戦にフル出場、酒井や槙野らポジションを争う選手との関係性に言及

 日本代表DF長友佑都は、6日の国際親善試合ニュージーランド戦にフル出場し、2-1勝利に貢献した。

 来年6月のロシア・ワールドカップ(W杯)に向けて、バヒド・ハリルホジッチ監督はポジション競争を強調する。そのなかで、所属のインテルで常に熾烈なポジション争いに身を置いてきた長友は「それが自分の中での哲学」という“ライバル論”を語った。

 長友は、W杯出場を決めてからの一戦で勝利を収め、結果が出たことを前向きに捉えているという。

「常にワールドカップ本大会を意識しているので、そこは変わりますよね。今までは予選突破を考えていたわけだから。今日はまず勝利することが大事だったので、なんとか勝利できて良かった」

 そのうえで、長友が語ったのはポジションを争う選手との関係性だ。日本代表で言えば、DF酒井高徳(ハンブルガーSV)や、センターバックで起用されたDF槙野智章(浦和レッズ)、新戦力のDF車屋紳太郎(川崎フロンターレ)といった選手が、今回の招集メンバーではポジション争いのライバルとなる。他にも、ハリルジャパンで招集経験を持つ国内組の選手もチャンスを虎視眈々と窺っているため、長友のポジションが約束されているわけではない。

長友が語る「本当の競争意識」とは?

 それでも、長友はライバルたちとの関係性に自身の哲学があると語り、競争を歓迎している。

「同じポジションの選手、ライバルが活躍するなと思うようなレベルの低い戦いはしたくない。ライバルが試合に出て、その選手が活躍して、でも自分がそれ以上に活躍するというのが本当の競争意識だと思う。それが自分の中での哲学。ライバルに良いプレーをしてもらって、それ以上のプレーを自分がするというのを心掛けてきたし、それが自分自身もチームもレベルアップすることだと思う」

 長友は2011年冬にインテルへと移籍し、すでに6年半を過ごしてチームの最古参となっている。しかし、移籍市場のたびにインテルはサイドバックを獲得し、毎シーズン必ずポジションを争ってきた。昨季で言えばDFクリスティアン・アンサルディにポジションを奪われて冷遇された時期もあったが、長友は不死鳥のように復活してシーズン終盤にはレギュラーを奪還した。

 そのアンサルディが期限付き移籍でチームを去った今季も、ブラジル人DFダルベルトが新たに加入し、左サイドバックの定位置を巡って火花を散らしている。双方が交互にスタメン出場するような対等な関係で、一歩も譲らない争いをしている最中だ。

 しかし、長友が語った哲学こそがインテルで常に最終的なレギュラーを確保してきた原動力なのだろう。日本代表の左サイドバックの座を狙う存在は、ライバルの活躍すら成長の糧に変えてしまう男の強大な壁を打ち破らなければならない。

【了】

轡田哲朗●文 text by Tetsuro Kutsuwada

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images