先制点となるPKを沈めた日本代表FW大迫勇也

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[10.6 キリンチャレンジ杯 日本2-1ニュージーランド 豊田ス]

 焦れるような展開だった。序盤からボールを保持して好機を生み出しながも、なかなかニュージーランドゴールをこじ開けられない。しかし、後半開始早々の同4分にMF山口蛍(C大阪)のシュートがPA内の相手のハンドを誘い、日本代表にPKが与えられる。キッカーとしてペナルティースポットに向かったのは、FW大迫勇也(ケルン)だった。

 4-2-3-1の1トップとして先発した大迫は、191センチ、188センチ、182センチと長身選手が並ぶ相手3バックとの激しい肉弾戦を繰り広げる。「3バックは強かったし、プレミアリーグでプレーしている選手は体つきも違った」と振り返りながらも、ブンデスリーガでプレーするストライカーは「少なからず(激しい当たりには)慣れているので、落ち着いてできた」と体を張ってボールをキープし、攻撃の基準点として存在感を示した。

 だが、ゴールが決まらない。前半10分にはミドルレンジから果敢に狙い、同43分にはDF長友佑都(インテル)のクロスをヘディングで合わせてゴールを強襲するが、ともに枠を捉え切れず。周囲を活かして前半の中盤までは好機を演出もしたが、「良い時間帯に点を取ることができずに相手が慣れてきた」と徐々にフィニッシュに持ち込む回数が減っていった。

 しかし、後半立ち上がりの同4分に山口のシュートがPA内の相手のハンドを誘ってPKを獲得。「PKはミーティングでも決められていたし、そこで譲ったり、誰が蹴るか迷っていたら外してしまうので、自分が蹴ると決めていた」と大迫がボールを持ってペナルティースポットに向かう。相手GKの動きを見極めて右足から放ったボールは見事にネットを揺らし、待望の先制点が生まれた。

「ゴール前に入ること、相手と戦うこと、点を取ること。1トップの選手は常にそこを出していかないといけないし、代表のときは常に意識している」。実際にゴール前に入り、相手と戦い、点を取った。ストライカーは言葉を体現したように、自らの仕事をきっちりとこなした。

(取材・文 折戸岳彦)