日本人はまだお日さま信仰が根強く、布団は干すものと信じてやまない人が多数います。しかし、布団を干してもダニは退治できませんので、私は布団乾燥機を使っています。ただ、一昔前のモデルなので乾燥マットを広げる手間が面倒なため、マットレスモデルへの買い替えを検討していました。そんな折、シャープがマットレスタイプの新製品を発表するとの情報が。ミドル特有のニオイに悩むお父さんを救ってくれる機能もあるというので、オヤジ記者としてはこれは行かないわけにはいきません。

 

ダブルサイズの布団まで乾燥・あたためができる

シャープが10月19日に発売する「プラズマクラスターふとん乾燥機 UD-AF1」は、新開発「きのこアタッチメント」を搭載。乾燥マットを使わなくても、ダブルサイズの布団まで乾燥・あたためができるのが特徴です。もちろん、高濃度イオンを放出するプラズマクラスター7000も搭載。市場想定価格は2万2000円前後(税別)です。

 

現在、布団乾燥機の国内市場は拡大傾向にあります。これは、従来は必要だった乾燥マット不要モデルの登場によるもの。それまでは、乾燥マットを広げる手間がわずらわしいことから、買ったはいいが、一度使ったら押入れにしまって使わなくなる家電の代表格でした。

↑拡大を続ける布団乾燥機市場。今年度は前年比130%の成長が見込まれています

 

シャープも既にマットレスタイプを販売しており、既存モデルは簡易的なふとんの温めにはマットレスでOKとしていましたが、ダニ対策やダブルサイズの布団にはマットを使うことを推奨していました。新製品では完全にマットを不要としており、それを実現できたのがシャープ独自の「ネイチャーテクノロジー」です。

 

空調・PCI事業部の冨田昌志副事業部長は開発の経緯を次のように説明しました。

↑空調・PCI事業部の冨田昌志副事業部長

 

「従来機では、布団乾燥だけでなく衣類の乾燥、プラズマクラスターによる除菌・消臭、部屋干しの衣類・靴の乾燥・脱臭と、季節に応じて一年中使うことを提案してきました。今回、ネイチャーテクノロジーを組み合わせることで、一年中使える利点はそのままに、毎日手軽に使うことができるよう進化しています。新製品の開発はネイチャーテクノロジーありきでスタート。最初に『きのこのアタッチメント』を開発してからそれに合う全体デザインを決めました」

 

きのこの優れた流体制御を応用したのが「きのこアタッチメント」

さて、ここまで引きを入れた「きのこアタッチメント」との正体とは一体何なのか。シャープ入社以来、ネイチャーテクノロジーの開発一筋だという、要素技術開発部の公文ゆい係長は次のように説明します。

↑要素技術開発部の公文ゆい係長

 

「きのこは菌類で、本体は菌糸という糸状の組織であり、地中や木の中に生息しています。傘は胞子を飛ばすためだけに作られた構造体で、優れた流体制御装置。その形状により揚力を発生させて胞子を風にのせて遠くまで飛ばすことができます。そこで、これを応用すれば布団の中でも温風を遠くまで届けることができると考えました。新製品のアタッチメントの内部には小さいきのこを複数配置し、それを大きなきのこで覆う構造としています」

↑ホースの先に付いている円盤状のものが「きのこアタッチメント」

 

大きな傘で布団を持ち上げ、小さな傘が力強い風を吹き出す

きのこアタッチメントの仕組みは以下の通り。まず、大きな傘で布団を持ち上げ、布団の中に風を送りだす空間を作ります。さらに傘の内部の流路は徐々に面積を広げながら最後に吹き出し口の上下を絞る構造にすることで、力強い風が吹き出します。そして、吹き出し風速にムラを持たせることで、風速の速い箇所がそのまま速度を維持して遠くまで風が届くという仕組み。「きのこアタッチメント」と前モデルのワイドアタッチメントによる温風の広がり方を比較すると、新モデルは前モデルの約1.32倍温風が広がるといいます。

↑きのこの傘の部分が航空機の翼のように揚力を発生させ、胞子を遠くまで飛ばします

 

↑新製品のアタッチメントは、大きなきのこの中に小さなきのこを複数配置した構造

 

発表会の会場で行われたデモによると、20分強の短時間でシングル布団全体が40℃まで温められていました。また、「きのこアタッチメント」は本体に装着したまま収納できるので、使う時にいちいち組み立てる手間はありません。靴の乾燥アタッチメントも本体背面に収納できるのが便利です。

↑保管場所に困る靴アタッチメントは本体に収納。プラズマクラスターによる靴の消臭も気軽にできそうです

 

プラズマクラスターはおねしょ臭への効果も実証

運転モードは3種類。温風とプラズマクラスターを同時に出す「あたため」(10分/20分)と「消臭・乾燥」(60-150分)、そしてプラズマクラスター単独運転の「空気浄化・消臭」モード。「空気浄化・消臭」モードの場合、きのこアタッチメントを本体に収納したまま角度を変えて、部屋の中央や部屋干し衣類に向けるなど、希望の方向に風を向けて使います。

 

また、プラズマクラスターは部屋干し臭やカビ臭、汗臭、加齢臭に加え今回、おねしょ臭の消臭効果を実証。小さい子どものいる家庭に加え、介護が必要な家族がいる家庭にもうれしいですね。

↑空気清浄・消臭モードはきのこアタッチメントを上向きにセットして使います

 

鼻が曲がるほどのオヤジの汗臭が約20分でほぼ無臭に!

また、発表会では、大人の男の汗臭の成分を染み込ませた布で、消臭効果の実験も行われました。実験する前に布のニオイを嗅いでみると、とてつもない激臭で鼻が曲がりそうでしたが、20分後にはほぼ無臭に。これほどの効果があるのなら、毎日、娘に「お父さんの寝室がクサイ」と言われて悲しい気持ちになっている私も試してみたくなりました。

↑発表会が始まる前に「大人の男性の汗の臭い」成分を含ませた、激臭のする布をふとんにセット。約20分にはほとんど臭いは消えており、鼻を近づけても大丈夫でした

 

温風の熱で布団を乾燥させてダニも退治し、プラズマクラスターでダニの死がいやフンといったアレル物質の作用を抑制するというのがシャープの布団乾燥機の特徴。今回、これに「きのこアタッチメント」が加わり、より手軽に使えて、プラズマクラスターがふとんのすみずみまで届くようになりました。加齢臭に悩んでいるオジサンにとって、救世主になるかもしれませんね。