トップ下で先発出場した香川だがゴールやアシストは挙げられなかった。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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[キリンチャレンジカップ2017]日本 2-1 ニュージーランド/10月6日/豊田スタジアム
 
 試合前のスターティング・イレブン発表。大雨でもスタジアムに詰めかけた大観衆からもっとも大きな声援を受けたのは、やはり香川真司だった。
 
 ヴァイッド・ハリルホジッチ監督政権下ではインサイドハーフでも起用されてきた香川だが、この日託されたのはもっとも得意とするトップ下。いわゆる“ナンバー10”のポジションだ。前日会見で「怪我から復帰して間もなく、早く本来のレベルを取り戻してほしい」と語っていた指揮官の親心にも見えた。
 
 身体のキレは悪くなかった。3トップと近い距離を保ちながら序盤からよくボールに絡み、「何かやってくれそうな雰囲気」を醸し出した。
 
 9分にはペナルティーエリア内でこぼれ球を拾い、巧みなタッチで敵DFを交わして右足を一閃。しかしシュートは、ポストに嫌われた。
 
 20分と22分にもチャンスに絡むと、23分には二度目の決定機。だがこれも、ペナルティーアーク内から右足を振り抜いたが、大きく枠を外した。
 
 さらに29分のペナルティーエリア内でのビッグチャンスも、ニュージーランドの分厚い壁に跳ね返された。
 
 前半のその後と後半はボールに絡む機会が減り、60分には小林祐希との交代でベンチに下げられた。
 
 怪我から復帰してコンディションを上げている段階とはいえ身体はキレており、自身が最も輝けるナンバー10のポジションだった。しかし、ゴールやアシストというサポーターと指揮官の期待する目に見える結果は残せなかった。とりわけ9分と23分の決定機は決めたかった場面だろう。
 
 日本代表では図抜けた実績と経験値、クオリティ-を誇る香川だが、ロシア行きが懸かった大一番のオーストラリア戦では本田圭佑とともに出番なし。ハリルホジッチ監督はいくら主力でも、コンディションが悪かったり結果が出ていなければ躊躇なく外す決断力を持っている。
 
 香川はそのサバイバルを勝ち抜けるのか。10日のハイチ戦では目に見える結果が欲しい。
 
取材・文:白鳥大知(サッカーダイジェストWEB)
 
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