(c) 123rf

写真拡大

 鉄道用定期券がICカード化して普及率も上がった。JR東日本のSuica、関東私鉄のPASMO、JR西日本のICOCAが代表例であり、地域内外に渡り、購入とチャージの簡便さが受け入れられカード利用者が既に多数派になって来た。

【こちらも】JR東とタクシー3社、Suica履歴使い近距離経費の精算自動化を実証実験

 このICカードからの自動支払いの仕組みを改めて捉え直してみたい。幾つか注意し注目しておきたい点がある。その1つは、既に3年半前のことになるが、2014年4月に消費税が8%上がった際の対応だ。大きな話題となったのが、1円刻みの運賃が設定されたことだ。

 料金の決め方が半年ほど前から知らされるなど、事前対応ぶりが徹底していたため大きな混乱なく移行出来た。短距離の電車区間ではICカードの運賃が1円単位で設定され割安になるが、長距離旅客区間では切符購入の方が割安になるという工夫がされた運賃体系が作られた。鉄道運賃の歴史の中で画期的なことだったかも知れない。運営者である鉄道事業者側の事情をヒアリングしたところ、短距離区間の切符を購入する場合がは券売機により負担がかかるため、保守・メンテナンスコストを上乗せしているからだという事情があるそうだが、こうしたところにも、又、鉄道事業の次代の姿を予見させるヒントがあるように思える。

 さて、気をつけてみたい点の2つめは現金チャージした金額分が必ずしもすべて交通費に使われるわけではないことである。チャージ代をすべて「交通費」として申告したら虚偽報告にならないか?これは、営業活動に日々ICカードを活用している会社員営業マン、大小問わず企業体で交通費、経費精算を日々行っている事業主、経営者であれば、気になるところであろう。幸い税務調査でここが対象になる例はないそうだが、按分を乗じて一貫させておけば万が一の心配もなくなる。例えば60%が交通費、40%が茶菓代などである。ポイントは、数字が厳密に適正か否かに拘り過ぎず、概ね正しく一貫性がある状態を維持管理することである。この辺り、最近、良し悪しはともかく注目されることの多い会計監査の実践的な考え方に繋がる点でもあるので、銘記しておきたい。

 最後にICカードの耐用年数は気になるところであろう。記録されたデータが信号の読み取り具合で消滅する等は最も身近にある危険である。これについては、10年程度は安全に持続するのが定説なので安心されたい。ただ、ズボンのポケットに収納した状態で直射日光下で金属ベンチに座るなどすると、ICが劣化しかねないので注意したい。