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 長時間労働や人手不足が深刻化し社会問題になる中、「働き方改革」の一環として「週休3日制」を導入する動きが広まりを見せ始めている。宅配大手の佐川急便やIT大手のヤフー、カジュアル衣料品店「ユニクロ」を運営するファ-ストリテイリングなどで導入の動きが既に見受けられる。

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 そうした中、福岡地盤に土地保有者に対し「資産運用」策としてアパート・マンションの運用を企画・提案し、施工・(賃貸)住宅の管理運営をグループ内で一貫して手掛けるシノケングループが、グループ内企業の一社で週休3日制の導入に踏み切った。その一社というのが興味深い。シノケンウェルネス。介護関連事業を手掛ける企業である。周知のとおり介護関連業界に共通した喫緊の難問は「介護士不足/介護士離職」。その対策の一策として実施に至った。

 同社は介護関連コンサルティング会社のM&Aを契機に、斯界に足を踏み入れた。同事業を担うグループ企業の役員は「お年寄りが元気で希望が持てる賃貸住宅を提供したいという思いがベースにあった」としながら、「一方でどんな好立地のアパート・マンションでも、空室は避けられない問題。空室を高齢者向けにリニューアルし“高齢者安心賃貸住宅”とする道を選択した」と正直。だがこれが好評。現在、福岡エリアだけで約60室が稼働している。

 これを入り口に同社は「寿」ブランドのサービス付き高齢者住宅(サ高住)に進出した。福岡・東京(板橋区常盤台・高島平)で展開。サ高住にしては稀な「入居者の9割が要介護者。介護度3以上が大方。認知症者も入居可」という体制。可能にしているのは「高齢者安心賃貸住宅」の「安心」体制のノウハウ。こんな施策に象徴的。「各部屋の安心携帯とオペレーターの間で24時間通話が可能。緊急時連絡と判断すれば、提携医療施設や家族等に連絡を取る」-「安心携帯にはヒモがついていて、それを引くだけでコールセンターに緊急通報が発信されると同時に、GPS検索が開始される」-「訪問介護は提携先事業者により24時間体制で実施」。その枠組みをサ高住にも導入したという次第。同社ではグループホームやデイサービスも実施。サ高住をはじめ介護士の仕事は当然、激務となる。

 そこで「少しでもゆとりを持って働いて欲しい。そういう環境を作らなくてはいけない」という考えが、週休3日制の導入となった。正確にいえば選択制。1週間の労働時間は40時間のままで給料も変わらず。連休など休日の取得日も事情に応じ柔軟に対応する。

 導入して未だ1カ月余り。「介護士問題」解決の「良薬」になるかどうかは、時間の経過を待たなくてはならない。だが斯界の経営者にとり、一考に値すると思う。