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●オーテクの新しい最上位モデル

オーディオテクニカは10月5日、2017年度新製品発表会を開催。オープンエアヘッドホンのトップエンド「ATH-ADX5000」など多数の新製品を披露した。

発表会の冒頭では、代表取締役社長 松下和雄氏が経営の振り返りと展望を説明。CDの登場によりアナログカートリッジの販売に影響が出て、CDやDVDピックアップの開発に力を注いだこと、現在も製品展開が続く「すしメーカー」はさまざまな変化を経験した結果であることなど、創業55周年にまつわるエピソードが紹介された。

その後紹介された2017年の新製品は、オープンエア(開放型)のトップエンドに位置付けられる「ATH-ADX5000」以外は、Bluetooth対応製品が中心。続いて登壇した広報宣伝課 マネージャー 松永貴之氏は、ヘッドホン市場におけるBluetooth製品の割合が年々高まっていること、10代・20代のヘッドホン利用率の高さを引き合いにしたうえで、Bluetooth市場への取り組みを推進する方針を説明した。

○オーテクの新トップエンド「ATH-ADX5000」

ATH-ADX5000は同社最上位モデルとなる開放型ヘッドホンであり、「現在のオーディオテクニカの最高品質を誇る製品」(松永氏)。硬質樹脂成型のバッフル一体型58mm径ドライバーを搭載、パーツ構成を絞ることで音の歪みを抑えることができたという。ドライバーには高磁束密度のドイツ製パーメンジュール磁気回路を使用、音の純度を損なわずにタングステンコーティングの振動板へ信号を伝えることを狙った。

マウントには独自技術の「コアマウントテクノロジー」を採用、耳からハウジングまでの空間のちょうど2分の1の位置にボイスコイルを配置することで、空気の流れをコントロールし自然な音場と抜けのいい再生が可能になったという。

ハウジングはメッシュ構造で、ハニカム形状のパンチングを施すことで開口率を高めた。フレームとアーム部分はマグネシウム成型にするなど薄さと軽さを追求し、ケーブルを除く全体の重量を270gまで抑えることに成功している。

試聴の印象だが、広い音場と繊細かつスピード感ある音に強く魅了された。左右の分離感・定位感に優れ、ボーカルの定位もくっきり。音の立ち上がり・立ち下りもすばやく、もたつく感じがない。270gという軽さと適度な側圧により、長時間装着しても疲れは少なそう。開放型の長所をとことん追求した、魅力ある製品に仕上がっている。

●Bluetooth製品が目白押し

○「SOLID BASS」のBluetoothヘッドホン

主要製品シリーズではBluetooth対応が進められ、重低音再生が特長のSOLID BASSシリーズには「ATH-WS990BT」と「ATH-WS660BT」を追加。いずれも53mm径の「ディープ・モーション・ドライバー」を搭載、装着感と広い空間をを両立させた「2レイヤード・イヤパッド」を採用した。対応するコーデックはaptXとAAC、SBC。

ATH-WS990BTは、アクティブノイズキャンセリング機能を搭載。イヤパッドを装着したまま外部の音を確認できる「ヒアスルー」機能も備え、利便性も考慮した。有線接続時はハイレゾ再生にも対応する。カラーバリエーションはブラックとブラックレッドの2色。

ATH-WS660BTは、ノイズキャンセリング/ハイレゾ非対応ながら、有線接続時の再生周波数帯域は8Hz〜29kHzと特性的にはじゅうぶんなスペックを備える。バッテリー持続時間は40時間(ワイヤレス再生時)とATH-WS990BTの30時間を上回り、重量も220gとATH-WS990BTより80gも軽く、単純に弟分とは片付けられない長所を備えている。

サウンドチェックだが、SOLID BASSシリーズらしい重低音寄りの音作りは健在ながら、レスポンスは速く低域もソリッドで、前代と比べると筋肉質に仕上がった印象だ。アルミ製エンクロージャは不要共振を抑えるために採用されたというが、質感を高めることにも貢献している。

○防水性能を備えたスポーツイヤホン

スポーツシリーズのSONIC SPORTSでもBluetooth対応が進められ、「ATH-SPORT70BT」と「ATH-SPORT50BT」の2製品を投入。どちらもIPX5グレードの防水性能を備え、激しい運動中にも安定した装着感をキープするセキュアフィットイヤハンガーを採用するが、上位のATH-SPORT70BTにはカーボンコーティングを施した高音質振動板と、装着したまま周囲の音を確認できるヒアスルー機能が用意される。対応コーデックもATH-SPORT70BTはAACとSBCのところ、ATH-SPORT50BTはSBCのみとなる。

○Bluetoothレシーバ兼ヘッドホンアンプに注目

Bluetoothレシーバ兼ヘッドホンアンプ「AT-PHA55BT」も注目の製品だ。コーデックはaptXとAAC、SBCにくわえLDACをサポート。エンコーダ部分がオープンソース化されたことに伴い、今後急速にスマートフォンなどでの対応が進むと予想されるLDACに対応したことは、ワイヤレスでも高音質を狙うユーザ層には注目となることだろう。

出力抵抗値モード切り替えスイッチの搭載もうれしい。内部回路を切り替えることで、使用するイヤホンのドライバーがダイナミック型の場合は抵抗をかけ、バランスドアーマチュア(BA)型の場合は抵抗をかけない、という使い方が可能になるのだ。連続再生時間は最大約8時間と控えめだが、薄型・軽量で持ち運びやすいのがうれしい。

ほかにも、Bluetoothイヤホンのエントリーモデル「ATH-CK200BT」と「ATH-S200BT」、ATH-MSR7の特別仕様限定モデル「ATH-MSR7SE」、A2DC端子搭載イヤホン向けBluetoothアダプターケーブル「AT-WLA1」、A2DC端子に対応したリケーブル「HDCシリーズ」と気になる新製品が目白押し。次の1年のオーディオテクニカに期待しよう。