今シーズンは7試合で6ゴールと結果を出しているザザ。イタリア代表復帰を目指す。写真:Rafa HUERTA

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 バレンシアでは誰からも「エル・グランデ・シモーネ」と呼ばれている。入団2年目の今シーズンはここまで7試合で6得点と、これまでにないペースでゴールを量産しているシモーネ・ザザのことだ。
 
 彼にとってこの活躍は、ひとつのリベンジだ。昨夏のEURO2016でのあのPK失敗(ベスト8のドイツ戦)は、今も彼の心に痛みを残している。しかしザザは、そう簡単に挫折するタイプではない。ウェストハムに所属していた今年1月にはミランのオファーを蹴って、最も強く獲得を望んでくれたバレンシアへの移籍を選んだ。
 
 その結果がこれだ。昨シーズンはウェストハムで8試合・0得点、バレンシアで20試合・6得点だったが、今シーズンはもう6ゴール。89分に1ゴールのハイペースだ。
 
 4節のレバンテ戦でスタメンから外されたことで、地元のマスコミはマルセリーノ・ガルシア・トラル監督との不仲説を書き立てた。
 
 しかしザザは、何も言わずにピッチ上でそれに答えることを選んだ。そして翌5節のマラガ戦では、わずか8分間でハットトリックという離れ業を成し遂げた。
 
 こうしてバレンシアで「グランデ(ビッグ)」と呼ばれるようになったザザは、イタリア代表で「グランディッシモ(超ビッグ)」と呼ばれるようになりたいと強く願っている。
 
 アッズーリからは昨年11月を最後に疎遠の状態で、アンドレア・ベロッティ(トリノ)が負傷離脱中のこの10月もお呼びがかからなかった。
 
 それでもザザは諦めていない。バレンシアでゴールを決め続けることが、自身初のワールドカップ出場への唯一の道だと信じている。
 
文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
 
※当コラムではディ・マルツィオ氏のオフィシャルサイトにも掲載されていない『サッカーダイジェストWEB』だけの独占記事をお届けします。
 
【著者プロフィール】
Gianluca DI MARZIO(ジャンルカ・ディ・マルツィオ)/1974年3月28日、ナポリ近郊の町に生まれる。パドバ大学在学中の94年に地元のTV局でキャリアをスタートし、2004年から『スカイ・イタリア』に所属する。元プロ監督で現コメンテーターの父ジャンニを通して得た人脈を活かして幅広いネットワークを築き、「移籍マーケットの専門記者」という独自のフィールドを開拓。この分野ではイタリアの第一人者で、2013年1月にジョゼップ・グアルディオラのバイエルン入りをスクープしてからは、他の欧州諸国でも注目を集めている。