閉鎖される前、開城工業団地に進出した韓国企業の工場で働く北朝鮮労働者(韓国統一省提供)

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北朝鮮の対韓国窓口機関、祖国平和統一委員会のウェブサイト「ウリミンジョクキリ(わが民族同士)」は6日、開城工業団地内の施設使用を巡り、「わが共和国の主権が行使される工業地区でわれわれが何をしようと、それに対し誰もあずかり知るところではない」と主張する論評を掲載した。

開城工業団地は、南北経済協力事業として韓国が北朝鮮に造成し、2004年から操業を開始した。しかし2016年2月、韓国の朴槿恵政権(当時)が北朝鮮の核実験などに対する制裁として閉鎖を決定。北朝鮮側は資産のすべてを没収する報復措置を取り、完全に操業が止まっていた。

ところが最近になり、北朝鮮が密かに操業を再開させたと米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じていた。

北朝鮮国内で繊維業を営む中国の対北朝鮮情報筋によると、北朝鮮当局は工業団地内の19の工場の操業を密かに再開した。生産されているのは主に中国の業者から発注を受けた衣類だという。

操業中の工場は、窓をカーテンで完全に覆い、外に明かりが漏れないようにしている。軍事境界線を挟み韓国側の高台にある都羅展望台から開城工業団地まではわずか6キロ。おおっぴらに操業し、韓国側にバレるのを警戒したものと思われる。

前述した論評は、遂にバレたことを受けた「居直り」と言える。

情報筋は、操業が再開された正確な日付はわからないが、半年以上経っていると証言した。

ちなみに、閉鎖直後からトンジュ(金主、新興富裕層)が投資して操業を再開する動きがあったが、今回報じられたものと関係があるかは不明だ。

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ただ、衣類を生産しても、すでに販路は閉ざされている。

国連安全保障理事会が今年9月11日に採択した制裁決議2375号の16条では、北朝鮮で生産された繊維製品の輸出を禁じた。作ったところでどこにも輸出できないのだ。

また、それに先立ち中国当局は、北朝鮮製の繊維製品に中国製のタグをつけて海外に輸出することを禁じ、北朝鮮に送り返される製品が続出していた。

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開城工業団地への復帰、操業再開を求めていた韓国企業も、別の道を探ることになった。

聯合ニュースによると、京畿開城工団事業協同組合は、漢江と臨津江の合流地点を挟んで北朝鮮と向き合う坡州市の炭縣面に、開城工業団地に進出していた企業向けの16万5000平米の工業団地を造成し、2019年にオープンする方針だ。

進出していた韓国企業51社のうち、11社が廃業、32社は東南アジアに移転した。再開の見込みが全く立たない中、もはやこれ以上待っていられないということだ。

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