大相撲秋巡業初日、土俵に上がり朝乃山(下)に稽古をつける稀勢の里

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 大相撲の秋巡業が5日、千葉県八千代市で始まり、左上腕などのケガで3場所連続休場中の横綱・稀勢の里が、朝稽古の土俵で秋場所新入幕の朝乃山と17番連続で相撲を取るなど、精力的に汗を流した。稀勢の里が関取衆と稽古をしたのは、全休した秋場所の前の二所ノ関一門連合稽古(9月5日)以来1カ月ぶり。九州場所(11月12日初日、福岡国際センター)での完全復活を目指し、22日間の巡業で闘える態勢を整えていく。

 稽古場に姿を現しただけで大歓声を浴びた稀勢の里は、朝乃山を指名して土俵に入ると再び歓声が湧き起こった。新入幕の秋場所で敢闘賞を受賞した23歳の新鋭の強い当たりをしっかり受け止め、左四つに組み止めてからの寄り、左すくい投げ、さらには左右の突き落としと力の違いを示した。左を差せずに土俵を割る場面もあったが、20分以上連続で取っても息が上がった様子はなく15勝2敗。「いい稽古ができた」と満足の内容となった。

 初場所後に横綱に昇進してから、巡業の初日から参加するのは初めて。関取衆との稽古は1カ月ぶりだった。それでも「(全休の秋場所も)いい状態で過ごしていたし、場所が終わっても調整できた」と言うように、体はできていた。だからこそ、秋場所を制した日馬富士、3場所連続休場中の鶴竜が軽めの稽古にとどまった中、「久しぶりの稽古だから、昔を思い出して元気よくやった」と巡業初日から全力でぶつかれた。巡業部の玉ノ井副部長(元大関・栃東)は「手探りのところもあったと思うが下半身はしっかりしていた」と安定感を評価した。

 年3回の地方場所で、直前に巡業があるのは九州場所だけ。巡業の流れで場所前の調整ができることを、稀勢の里はプラスに捉えている。「しっかり一日一日過ごすこと。気合を入れすぎても仕方ない」。九州場所は大関昇進後、1桁勝利に終わったことがない唯一の場所。“相性のいい福岡”で復活を目指し、鍛錬を続けていく。