銀座」でうまく遊べてこそ、本当の大人だ。

この東京一の街で、虚勢を張らず、懐を開いてリラックスし、自分らしく楽しめるようになれば、一流の大人といえるのではないだろうか。

そんな銀座の中でも8丁目は「銀座の中の銀座、本当の銀座」と言われているのをご存じだろうか?

銀座の本丸といえるこの街で、玄人感ある自分だけの行きつけを作ろう。



僅か4席のカウンター席
自分だけの空間で、銀座の本格和食を
『銀座しもじ』

銀座8丁目に、行きつけの和食を作り、しっぽりと四季折々の旬を味わいに、何度も足を運びたい。

そう思わせてくれる一軒が、ここ『銀座しもじ』である。

料亭料理長を務める下地 智さんは、新進気鋭の38歳。とはいえ、築地の老舗『河庄双園』で料理長まで務めた経験の持ち主だ。



“小付”摺り流しの先付けの後に供される前菜。車海老に帆立貝など旬の味にタンカレージン風味のジュレをかけた一品 ※メニューは旬によって変化する

それだけに、先付けに始まり、前菜、お椀、お造りと進むコースの流れは、さすが料亭仕込み。今時、珍しいほどオーソドックスだ。

意匠を凝らした個室も素敵だが、おすすめは、僅か4席のカウンター席。

このしっぽりとした「自分たちだけの空間」に、何度でも足を運びたくなる。



“吸物”鱧と蓴菜のお椀

椀だねと出汁との繊細なバランスが大切なお椀には、風味の強い鰹節ではなく香りのやさしいめじ節を使い、昆布にはコクのある羅臼を使用、透明感の中に豊かな味わいを引き出そうという寸法だ。

しかも、羅臼昆布は濁りやすいため、一晩水だしにして旨みを抽出するといった細やかさだ。

今のうちに「行きつけ」にしたい、銀座の若き名店である。



“造里”淡路産桜鯛と兵庫県産鳥貝のお刺身



最後の“食事”は、貝盛り御飯。お米は北海道産ななつぼし。北寄貝など貝5種を炊き込んでいる。コース¥12,000から




銀座で立ち飲み割烹というサプライズのある佇まい
本格和食を気軽に楽しめる立ち飲み割烹『銀座しまだ』

ダンディズムとは、これ即ち上質へのこだわりにほかならない。それが贔屓の飲み屋なら、なお男のこだわりがわかる。

ちょっとした時に、「この辺でいい店あるんだ、寄っていかない?」と出すカードが、こんな店なら最高に気が利いている。



名物、桜スモークのからすみそば。カラスミ粉をたっぷりかける

ここではすっぽん鍋やからすみ蕎麦など一流料亭に劣らない本格和食を、なんとも気軽な価格で提供する。熊本産の逸品を捌くことからはじめるすっぽん鍋、全国屈指の業者から入手したイタリア産カラスミ粉を惜しげもなくのせた蕎麦など、その料理は贅を尽くした会席そのものだ。

こんな“行きつけの店”に招かれた女性は、店で男の格を知る。男女の関係のはじまりとは存外、そんなところに潜んでいるものだ。



1日5食限定のすっぽん鍋。すっぽんは熊本産のものを毎日取り寄せている



艶っぽい中華も、この街にはあるんです。



手のひらサイズの小さな角煮丼には、奄美大島の" あかりんとん" 使用。土鍋でふっくらと炊き上げたごはんを、コースの初めに供するのは茶懐石にちなんで。
四季を感じる“江戸中華”がコンセプト『銀座 やまの辺 江戸中華』

中華料理の進化系“、魅せる中華スタイル”を提供するのが『銀座 やまの辺 江戸中華』だ。

中華であっても、カウンター席を選べば、作り手は食べ手の反応を目で確かめることができ、食べ手は作り手の臨場感溢れる調理風景が楽しめる。

おまかせコースなら、料理は1人前ずつ供されるので、その都度取り分けるような煩わしさもない。一対一のデートや接待にも最適だ。

白木のカウンターに並ぶ立派な九谷焼のウェルカムプレートが印象的。銀座の「大人な中華」、覚えておきたい。



客の反応がダイレクトに伝わるカウンタースタイル。



こちらが山野辺 仁シェフ。新鋭の若手シェフが“魅せる中華”で独立した。




銀座の鮨の頂に君臨する『銀座 久兵衛』

銀座の寿司店の頂点といえば、間違いなく『銀座 久兵衛』があげられるだろう。創業80年を超える老舗だが、常に満席続きの繁盛店だ。

銀座8丁目の本館と別館を含め、フロアは8つあり、1日に300人が来店するという。

しかし3代目の今田景久氏は「敷居を高く思わずに、まず1度は気軽にご来店頂きたい」と語る。今回は織部コース(7,500円)をご紹介しよう。



織部コースは握りが全9貫。最初は寿司屋の看板である中トロからスタートする。続いて塩とスダチでいただくカレイ、アオリイカ。
利尻のムラサキうにも絶品の味。うにの握りは久兵衛の初代が考案したというのは有名な話だ。

人気の踊り車エビは生の状態から客前で握るため、新鮮さを存分に味わえる。続く大トロは、築地で一番の品が手に入るという、一目見ただけでネタの良さが伝わる逸品。

平貝と小肌も老舗の技が光る。脂が乗った江戸前の穴子は、直前であぶって、塩とタレで。
一度は足を運んでほしい、粋が詰まった銀座の一流寿司店だ。


銀座で10年、覚えておきたい鮨店はこちら。



車海老は頭の部分と尾の部分で味を変える細やかな仕事ぶり
名店の流れをくむ確かな技が冴え渡る『銀座 青空』

鮨が時代とともに進化したように、名店の味も姿を変えて受け継がれる。店主の高橋青空氏は『すきやばし次郎』で12年にわたり研鑽を積んだ人。板場での所作は美しく、凛とした空気を纏う。

握りは修業先の流れをくむ圧巻の質。ネタの選定、シャリの塩梅、どれも隙がない。



上 鯵の握り。寿司はすべておまかせ握り¥18,000前後より。 下.トリ貝。今日は愛知産。

独立は2006年、はや一流の仲間入りだが、どこまで登り詰めるか期待は高まるばかり。

元の素材が良くないと「美味しくなることはない」と断言する高橋氏。それだけ繊細に食材それだけ繊細に食材の旬に寄り添うのが江戸前寿司で、氏も仕入れには徹底してこだわっている。儚さこそ握りの醍醐味と知る。



上.中トロ。端正でどこか艶やかな握りは高橋氏の真骨頂。硬めに炊いたシャリも、ほどよく脂の乗ったトロと絶妙の相性を見せる 下.金目鯛の焼霜造り。おろしポン酢でいただく。脂が強く、トロトロの食感



左.店主の高橋青空氏。名店で研鑽を積んだ俊英だ。「旬がすべてではないですが、無理して使ったら美味しくないですから」お好みでもオーダーできる。




カウンターの奥で展開する調理風景も楽しい
BARで本格フレンチ。大人の遊び場『ヴァプール』

有名店が居並ぶ銀座のコリドー街で、ひときわ賑わいを見せるフレンチバル。フランス語で「蒸気」を意味する店名の通り、厨房の奥では巨大な蒸し器がフルに稼働する。

自慢は宮城産の魚介類や、季節野菜などをふんだんに使った蒸し料理。入り口付近の立ち呑みスペースは酒の肴を、奥では本格フレンチを提供するという二面性も魅力的だ。

立ち呑み屋に慣れているなら、あえてスタンディングスペースでメイン料理をいただくのもいいだろう。それもまた、銀座の夜の楽しみ方の一手なのだ。



アスパラのブイヨンを使った、アスパラガスとサーモンのテリーヌ



トリュフ入りの自家製のソーセージ、ブーダンブラン


一流の街でもほっとできる「行きつけ」にしたい店はこちら!



ごまかしのない、しみじみとした気持ち休まる味が魅力
季節の移ろいを表現した身体に染み入る優しい味『みな美』

この店を知っているだけで、ちょっとした優越感を味わえる。銀座8丁目のビル2Fにある『みな美』だ。手間暇、時間と愛情をかけて作る女将の家庭料理が自慢の店。

素材の持ち味を生かした煮魚やおひたし、ジューシーな牡蠣フライに締めの和風オムライスまで。派手ではないが、ごまかしのない家庭料理は郷愁そそられる味わい。

あんまり疲れた顔で愚痴っていると女将にピシッと活を入れられるような、そんな人柄も人気で、常連客が足を運ぶ店だ。




アジフライは4枚で1人前。小アジを軽やかに揚げてあるので、ひとりで何枚も食べる人がザラ。散々食べて飲んだ後、このフライとビールで〆、という強者もいるとか。秘密の下ごしらえを施すことで、アジの旨みをぎゅっと凝縮しつつ、サクッとした仕上がりに
ここを知らなきゃモグリ?な名店『お食事処 きく』

年季の入った雑居ビルの2階。あらかじめ存在を知らなければ少々見つけづらいロケーションだが、それだけに、毎夜銀座に通じた紳士淑女で賑わう。店主の松井邦夫氏は、昭和52年に銀座で自身の店を構え、55年から現在の場所へ。

マグロ、あわび、毛ガニなど上質な鮮魚料理のほか、メニューには肉じゃが、卵焼きといった家庭の食卓に並ぶような品もあるが、職人のひと仕事が施されたその味は、違いが歴然。長年、ナイトシーンで名を轟かす所以だ。



慢性的な野菜不足を自覚している人間がオーダーしやすい料理。それが、ポテトサラダや胡麻和えといった小鉢だろう。しゃっきりしたほうれん草に香りの良い胡麻衣、ポテサラはほくほくまろやか、と感涙もの



松井氏と奥様、息子さん、娘さんと、家族を中心に店を切り盛り。朗らかで家庭的な雰囲気も店の味わいだ。品書きもあるが、慣れたゲストは食べたいものを伝えて¥8,000〜¥10,000の予算で食事をするのが流儀だそう




メニューはコース主体。9:00PM以降はアラカルトでの注文も可能となる。ワインはフランス産中心。グラス¥1,000〜、ボトル¥7,000〜
洋食の聖地、銀座に21世紀のハイカラ来たる『玉木』

何も知らず「フランス料理」を食べに行くというだけの頭で『玉木』を訪れ、メニューを見ると意外に思うかもしれない。

フランス料理のメニューももちろんあるが、その多くは日本で普段聞き慣れた料理ばかりだ。なかでもおすすめは「神戸牛のメンチカツ」。

神戸牛のもつ脂の甘みを、衣で包み閉じ込めたメンチカツは箸でスッと割れるほど柔らかくジューシー。一瞬で口から消えていったと思うと、後から肉の旨みがじんわりと押し寄せてくる。

他にも、「日本の食材を可能な限り手を加えずに美味しく仕上げる」というテーマの逸品ばかり。銀座で大人の階段を上るなら、覚えておきたい名店である。



左.前菜3点盛。鴨のロースト 花豆添え、鱚のマリネ バジル風味、帆立貝のポワレ。ひとつひとつが丁寧で、実に行き届いた味
右.野菜のエチュベ。素材に寄り添うような柔らかな酸味。



左.あさりのナージュ 山椒の香り。貝の旨みに実山椒の佃煮でピリッと和の辛みを効かせている
右.神戸牛100%のメンチカツ。メインは神戸牛の炭火焼や魚料理などから選ぶ。希望すればご飯も