「ペーパードレス」とは、文字通り紙製のドレスのこと。

1960年代、アメリカのポップカルチャーから生まれ、アンディ・ウォーホルをはじめ多くのアーティストが意匠を手がけたことで知られています。ゆえに、当時は美術館でも販売されていたのだとか。

家庭用紙製品メーカーScott Paper Companyが、ノベルティとして作ったことから始まった一大ブームを当時の画像とともに振り返ってみましょう。

レトロで“味”のある
ペーパードレス

60年代以前にもペーパードレスは存在していましたが、一部の愛好家によってのみ生産されていたため、脚光を浴びることはありませんでした。

Scott Paper Companyが火をつけたこのブームは1966年の春に始まり、その年の終わりには50万枚ものドレスを生産。流行を受け次第に同社以外のメーカーも、ペーパードレス製造に着手するようになったそうです。

赤と白のペーズリー柄やモノクロのオプ・アート柄など、どこか懐かしくて可愛らしいデザインが多かったようですね。

ペーパードレスの流行に乗って、ハートフォードの美術館Wadsworth Atheneumは、1967年に著名なアーティストにドレスのデザインをしてもらうという企画を実施。

ウォーホルによるキャンベルスープ柄のドレスも、ちょうどこのときに作られたもの。

また、アート作品としてだけではなく商業的、あるいは政治的な広告媒体としても活用されました。ケネディ大統領の弟であるロバート・ケネディをはじめ、 ジョージ・ロムニー、リチャード・ニクソン、ネルソン・ロックフェラー、ピエール・トルドーなど、1968年の党大会に向けて政治的キャンペーンに彼らの顔がデザインされたペーパードレスが作られます。

素材に高級感を出し、高値で売り出されるドレスも誕生しました。

この金色のドレスは、航空機のファーストクラスのキャビンアテンダントの制服としてデザインされたそうです。

使い捨てということもありコスパは抜群。けれど、その流行は長くは続きませんでした。理由はその使い勝手の悪さ。風で膨らんだり、座ったときに形が崩れたり、パーティで男性にわざと飲み物をかけられるようなことも多かったそうです。

常に破れることを心配したりと、あまり着心地の良いものではなく、次第にペーパードレスは姿を消していきました。

1960年代のファッションを代表し、一時代を築き上げたペーパードレス。私たちには、むしろ斬新。ちょっと、着てみてもいいかもな。

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