カウンセラー・ピィーのもとでエネルギー心理学を学ぶことになった筆者・土居。二回目のクラスでは幸せを阻む有害な思い込みとネガティブな感情をセットにして解放するという心のツボ押し、タッピング療法・EFTを学んできました!

写真/文・土居彩

【土居彩の会社を辞めて、サンフランシスコに住んだら、こうなった。】vol. 59

【第59話】指でトントン、心のツボ押し。EFT(イー・エフ・ティー)で嫌な気持ちを吹きとばせ!

「どうしてダメな部分も含めたありのままの自分を受け入れられない?」。心理学の世界でもセルフ・コンパッションといいますが、「私は良いところも悪いところもあるひとりの人間です」と、ありのままの自分を受け入れられる人は、自虐的になったり、無理に自分を正当化するのではない形で、過ちや自分の至らなさと向き合え、自己改善するためのモチベーションも高まるのだそうです(Briens & Chen, 2012)。前回の授業では筋反射テストを用いながら、幸せを阻む思い込みの出処を突き止め、解放した結果、アララ情緒不安定になってしまったというワタシ。エネルギー心理学以外にもクンダリニー瞑想、さらにはスティーブ・ジョブズに多大な影響を与えたというヨガナンダ師のアシュラムでクリヤ・ヨガまで始めてみたりと、まさに人体実験状態。あれもこれもと欲張りになった結果、ごった混ぜでプラクティスしていたのもよくなかったのかもしれません…。

※第58回の記事http://ananweb.jp/column/sanfrancisco/134337/

授業第二回はまず、報告からスタートしました。つまり、授業の翌日に青竹入り羊羹のようにズルンッと体から何かが抜けていったこと。その後2週間ほどひどい落ち込みを経験したが、今はニュートラルな状態だと伝えました。そこから何を学んだか、とピィーにたずねられ、「究極的には、自分の完璧じゃなさを認めて、それをギフトだと思えるようになりたいんだなということです。誰かに愛されることを期待する前に、まずダメな部分も含めたありのままの自分を認められるようになりたい。そのうえで人間として成長していきたいです」と言うと、ピィーが感激した様子で両手を胸の前で組み合わせ、「潜在意識からの願いを受け取りましたね!」とひと言。そして「完璧な人なんてこの世には誰もいないのよ」と優しく諭されました。「……でも、どうしても私以外の人はみんな、私よりもずっと幸せで、ずっとマシに見えてしまいます」と言うと、ピィーが温かく見つめてくれます。

EFT(イー・エフ・ティー)ってナニ?

「では今日はあなたにEFT(イー・エフ・ティー:Emotional Freedom Technique)を教えるわ。不要な思い込みだけではなく、それにひっついたネガティブな感情も両方いっぺんに解放させていきましょう」と、ピィー。EFTとは、タッピングを用いた感情解放テクニックなんだそう。人差し指と中指の2本の指先を使って体にある、感情をリリースするというツボをトントンと軽く叩いていきます。開発者のゲイリー・クレイグはスタンフォード大で工学を学び、牧師出身という、心理学者でもなく、カウンセラーでもなく、全く心理学畑とは異なるバッググラウンドの持ち主。さて今回習ったのは、彼が開発した公式EFTをそのまま用いるのではなく、ピィー流に少しアレンジを加えたという方法です。叩いていくツボはイラストの通り(稚拙な手描きイラストでスミマセン……)で、以下のテキストにあるステップで行って。

感情解放のためのピィー流・EFT

タッピング場所

1.眉毛の生え際(眉下)。2.目の横(目尻側)。3.目の下。4.鼻の下。5.あご。6.鎖骨(の下)。7.胸の中心(※ピィーは少し上めをタップしていた)。8.脇の下。9.胸の下。10.頭頂。11.親指の先。12.人差し指の先。13.中指の先。14.小指の先。15.空手チョップポイント。

※1,2,6,8,9は、両手で左右同時にタッピングする。※手(11〜15)に関しては、左手からでも右手からでもどちらから開始しても良い。※タッピングの回数は各7回が目安。※但し、場所や回数は絶対これを守るべきというよりも、自分の感覚に従いアレンジして。

口に出して言うフレーズ。

タッピングしながら、嫌な気持ちやつらい気分になる現状、そしてそこで抱く感情について言及し、でもそんな自分でも受け入れると宣言する。例えば、「私は〜(自分のネガティブな状況)で悲しいけれど(否定したい感情)、私は私を完全に受け入れます」というようなイメージ。

「さぁ、あなたは今どんなことでネガティブな気分になりますか?」とピィー。「うーんと…。あ、じゃあ、パートナーがいないというのはどうでしょうか?」と答えます。「では一緒にタッピングしながら言いましょう。『私にはパートナーがいなくて自分が至らない気持ちになるけれど、私は私を完全に受け入れる』」。え、マジですか?! それ、言うの? ヘラヘラと苦笑いをしていると、「グサッときているということは、解放するべき思い込みと感情の的が絞られているということですよ。さぁ!」と促されます。スパルタ! もう私はまな板のうえの鯉……。そこで、ピィーと一緒に「私にはパートナーがいなくて至らない気持ちになるけれど、私は私を完全に受け入れる」と声に出して眉の始点を軽くタップし、「私にはパートナーがいないけれど〜」と言っては目の脇をトントンと叩き、「私にはパートナーがいない〜、受け入れる〜」と脇の下をタッピング。「どんな感じですか?」とピィーに尋ねられ、「めちゃくちゃ恥ずかしいです!!! でもなんか、この状況の面白さのせいなのか、感情が解放されているせいなのかは正直よくわかりませんが、不思議と楽しくなってきました、笑」と解答。

あらゆる不良債権を明言し、「でも私を受け入れる〜」と叫ぶ日々。

この日はありとあらゆる私の抱える不良債権を口に出しては、「でも私は私を受け入れる〜」とタッピングし続けて90分の授業が終了。「私は毎日これを50年続けていますが、強い思い込みと感情解放の効果を感じていますよ。だまされたと思って、次の授業まで毎日やってみてください」とピィーから宿題を出されました。そこで真面目に毎日やっています。「私は無職のプー太郎で無力感を感じるけど、私は私を完全に受け入れます〜」「私は引きこもっているばかりで誰からも必要とされていないと悲しくなるけど、私は私を完全に受け入れます〜」といった具合に。英語でやるとハウスメイトに聞かれた場合、超絶恥ずかしいので、日本語で心置きなくたっぷりと行えるのはラッキーでしたね、ハハハ。

より現実と向き合うために私は鏡を見ながら行っていますが、なんかこのタッピングのツボ、血行がよくなるのか、肌艶がよくなってきたような…(気のせい?)。せっせとEFTを真面目にし続けた1週間後ぐらいでしょうか、交際を申し込まれたんですよ。偶然かなぁ? あんまりよく知らないし、お互いに話も噛み合っていないように感じていた方から突然のことだったので丁寧にお断りしましたが。でも金ナシ、職ナシ、なんにもナシな私だけど「交際してみたい」と思ってくれるなんて、単なる珍獣狙いだったのかもしれませんが、非常に有難かったです(合掌)。「パートナーがいなくて虚しいけど、そんな私を私は完全に受け入れる〜」とピィーと叫び続けたEFT効果で芽生えた雑草感がにじみ出て、恋心というよりもむしろタフさを買われたのでしょうか…(うん、あんまり考えるのは止めよう……。良い出来事なのに、私の信念体系のせいで、また落ち込んでしまうから)。

私の尊敬する禅僧・ティク・ナット・ハン師が彼の著書『Understanding Our Mind』のなかで意識についてこんなふうに説明しています。「子どもの頃、雨水貯水槽の底に美しい葉っぱを目にしたんです。手を伸ばして拾い上げようとしても、子ども時分の私では腕の長さが短くて届かない。そこで葉が表面に浮き上がってくるように、棒を使ってぐるぐると水をかき混ぜてみたのですが、葉っぱはなかなか浮き上がってこない。待つのもくたびれてしまったので、棒を投げ出し、遊びに行ったんです。そして10分後、貯水槽のところに戻ってみたら、葉が水面に姿を現していたんです。私が去ったあとも、水はずっとかき回り続けて、その動きが葉っぱを浮き上がらせたんですね。私たちの意識もそのようなもの。マインドから『こうしなさい』と命を受けたら、その後ずっと日夜それに取り組むのですよ」。

この言葉からは、大変勇気をもらいました。つまり、「なかなか手放せないなぁ…」とがっかりするような根深いネガティブな思い込みや否定的な感情も、「解放するんだ!」という強い意志を持って意識に訴えかけたその日からずっと。私たちがタッチできないような深い深い潜在意識にまで働き続けて、いつの日かきっと置き換えられるのかもしれませんね。

See You!

街路樹:バークレーの通りを歩きながら街路樹を見上げると、宝石みたいな世界が広がっている。

EFTのタッピング場所:胸の中心(6の場所)をトントンと叩くと少し刺激が強すぎると感じる人は、タッピングの代わりにさすってもいい。ちなみに私にはここが一番感情リリースと繋がる場所みたいです。人によってピンとくる場所もタップに必要な回数も異なるので、タップしながら自分の感覚とつながってみて。

PUBLIC BIKE REPAIR SHOP:バークレーにある、自転車の中古部品を販売したり、無料で修理の方法を教えてくれたり、道具を貸してくれる場所。青少年が中古部品を組み立て修理した自転車も販売する。

SEE YOU!「なんで私のアメリカ生活、我慢比べみたいになっているんだろう?」。EFTで感情を解放し続けた結果、避けられない苦労はあるけれども苦しむために生きているワケではないと痛感し、封印していたかわいいもの好き心が爆発! お店でひと目惚れしたヴィンテージ・メキシカン・ジュエリー。「これは絶対重ねづけしたらカワイイけど、2個は買えません…涙」と返却すると、「その通りね!」と店主が1個プレゼントしてくれた。