先日、平成の歌姫こと安室奈美恵さんが引退を表明しました。翌日からあらゆるワイドショーがトップで特集を組むほど大々的なニュースのようで、そのファッションや生き様を真似した「アムラー」や音楽業界の重鎮の驚きのコメントが紹介されていました。しかし、若年層の中には「安室奈美恵って誰?」と思った人もいたようで、世代間によって温度差があることを感じさせるニュースでもありました。

同じことが新型「シビック」にも当てはまるのではないでしょうか?

1972年に初代モデルが販売されてから実用的なコンパクトカーとして重宝されてきたことや走りを徹底的に磨いた「タイプR」に魅了されたことのある世代なら、今回の「シビック」復活のニュースを喜んだはず。逆に、そうでない人にとっては「シビックって何?」と感じられたのでは?

そんな温度差は開発チーム内にもあったと言います。ある人は“スポーティなクルマ”と思っていれば、ある人は“燃費がいいクルマ”……と、「シビックとは何か?」という問いに対する答えは様々。また、シビックの属するCセグメントのクルマは「フォルクスワーゲン・ゴルフ」を筆頭に飛躍的な進化を遂げており、想定内の進化ではもはや通用しないという危機感を抱いたそうです。

そこで、まずは開発チーム内で「シビック」についての議論を徹底し、たとえ時代は違っても「シビック」は『挑戦』こそが本質だったという結論に至りました。

それを踏まえて新型では、競合車に負けない走行性能を実現するために土台であるプラットフォームの全面刷新を実施。開発の手法も刷新し、プラットフォームを主役にコストを掛け、その他の部分でカバーすることを徹底しました。また、走りを極める「タイプR」を意識して進めたことも、ポテンシャルを大幅に高めることに成功した要因だと言います。

そんな新型シビックを目の当たりにすると、ある違和感を覚えます。最近のホンダ車は、ステップワゴンの『わくわくゲート』をはじめとした奇抜なギミックが目を引きましたが、新型シビックには斬新なテールゲートや予想外の収納スペースの類は一切ありません。

しかしながら、直観的に操作できるナビとエアコンのほか、「タイプR」では6速MTのシフトストロークの長さや運転中でも操作しやすいトグル式の走行モード切替スイッチなど、操作性の良さにはこだわったと言います。

また、新型シビックでは迫力に満ちたスタイルも特徴のひとつ。「OTOKOMAE(男前)」をコンセプトにワイド&ローを強調したスタイルは、エアロパーツを纏った「タイプR」も含めて、「ちょっと攻めすぎでは?」と思えるほど強気。

保守的なイメージからの脱却と、常に挑戦する姿勢を表現したスタイルながら、視界の良さや荷室容量など実用性を損なわない優しさも秘めています。

(今 総一郎)

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新型シビックの開発で抱いた危機感と課題、それに対するスタッフの「答え」とは?(http://clicccar.com/2017/10/05/517964/)