ハリル監督が「体脂肪率12%」のメンバー選考基準を再提示 「W杯への準備は始まっている」

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ニュージーランド戦の前日会見で語る メンタル面の準備も強調

 日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督は、6日の国際親善試合ニュージーランド戦に向けた試合前日会見で、就任当初に物議を呼んだ「体脂肪率」について再び言及した。

 ハリル監督は、ワールドカップ(W杯)出場権を獲得してからの初戦になるこのニュージーランド戦からが、チームの第三章になると以前から話している。そのなかで集合した選手たちには、主にメンタル面について強調したことを明かした。

「たくさんの話をしました。個別にもそうですし、全体ミーティングもしています。どちらかと言えば、私のモノローグのようになりましたが、ほとんどの選手と会話もしました。あるミーティングでは、W杯に向けた精神の部分を話しました。つまり、本大会への準備は始まっているという話です。W杯はサッカーの大会の中で最も素晴らしく美しいが、要求も高く危険なものだ。その準備ができていなければ、後悔につながり、フラストレーションや屈辱を感じることになると」

 ハリル監督は2014年のブラジル大会では、アルジェリアを率いて16強進出を勝ち取った実績を持っている。日本代表の選手たちの中にも10年南アフリカ大会での16強経験者はいるが、メンタル面が整っていなければ本大会では失望という結果が待っていると強調したという。今回の2試合の親善試合に対して新しいメンバーも招集して競争意識を高めているハリル監督は、そのポジション争いについてこう話した。

基準以上なら「準備不足でリストに入らない」

「それぞれの選手が所属クラブで日々トレーニングや試合をしているが、その間にFIFAマッチデーで合宿をする。その両方でポジションを勝ち取る戦いをしなければいけない。この8カ月は彼らに重要な時期だ。一人ひとりがポジションを勝ち取るために戦い、W杯に向けた準備をしなくてはいけない」

 そして、ハリル監督にとって「準備ができているのかどうか」という一つの基準として、15年の就任当初に大きな話題になり物議も呼んだキーワードが復活した。

「体脂肪率が12%を超えていれば、準備不足でありリストに入らない」

 就任当初のメンバー発表記者会見では、体脂肪率のリストが書かれた紙を報道陣に見せつけるようにしたことが波紋を呼び、一部の選手からは戸惑いの声も出ていた。最近ではそのワードを耳にすることがなかったが、改めてハリル監督にとってはフィジカル面の準備ができているかを示す有力な基準になっていることが明らかになっている。

 サッカー選手たちにとって大きな目標であるW杯出場。そのチャンスをつかむためには、トレーニングに全力を尽くしながらも「体脂肪率12%以下」という明確なハードルをクリアしなければならないことが明らかになっている。

【了】



轡田哲朗●文 text by Tetsuro Kutsuwada



ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images