(写真提供=SPORTS KOREA)

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2004年から千葉ロッテ、巨人、オリックスでプレーし、2012年に韓国プロ野球に復帰した李承ヨプが、23年間の現役生活を終えた。

2年前に「2017年シーズン限りで引退する」と表明していた李承ヨプは、8月から韓国プロ野球史上初となる“引退ツアー”を開始。各球場に訪れるたびに野球ファンとホーム球団へ感謝の気持ちを伝えながら、引退準備を着々と進めた。

サムスン・ライオンズの今季最終戦が行われた10月3日。

李承ヨプの引退試合でもあるその日は、妻のソンジョンさんが投手、李承ヨプが捕手を務める“夫婦始球式”で試合の幕が開けた。ソンジョンさんがグラウンドの中に入ってきたのは、結婚生活16年目にして初めてだったという。

球場には日本からのファンも多かった。試合前の囲み取材で李承ヨプは、8年間の日本時代ついてこう振り返っている。

「日本のファンに最後まで喜んでもらうことはできなかったけれど、ベストを尽くしたということだけは理解していただきたい。こうやって23年間野球選手としてやってこれたのは、日本での失敗を通じて怠けてはいけないということを学んだからです」

とりわけ注目を集めたのは、サムスン選手たちの格好だった。

というのも、全員揃って李承ヨプの背番号「36」が付けられたユニフォームを着たまま、試合を行ったのだ。今後「36」は永久欠番になる。サムスンファンにとっては二度と見られない特別な風景だったのだろう。

引退試合といえば、普通はファンサービス的な感覚で臨む選手が多い。

引退が決まった選手が本領を発揮するのは難しく、例えば李承ヨプと同じサムスン出身のヤン・ジュンヒョクは、引退を発表した時点でエントリーから外されていたほどだ。

しかし、さすが李承ヨプというべきか、彼はプロ最後の試合で2打席連続本塁打を打ち、有終の美を飾った。

李承ヨプは今季、24本塁打を記録している。ところで22号本塁打を打った9月13日に行われたインタビューがとても印象的だったので、ここで簡単に紹介したいと思う。

「22号の本塁打は引退するのが勿体無いくらい素晴らしかった」と褒めるキャスターの言葉に対し、李承ヨプはこう答えた。「本塁打を打って、気持ちいいですね。ただ、気持ち良かったからこそ、本当に引退をする時が来たんだと改めて感じました」

その言葉の意味がすぐ読み取れなかったアナウンサーは、「気持ちいい本塁打を打ったのに何故ですか?もっと(選手生活を)やるべきじゃないですか?」と反論。

すると李承ヨプは、「たかが本塁打1本で満足してしまったからです。昔は本塁打を打っても、もっと打ちたいという意欲が湧いたので努力することができました。今は違います。本塁打1本で喜んでいる自分を見て、本当に引退すべきだと感じました。僕が決めた引退の時期は適切だったようですね」と回答し、キャスターは一瞬言葉を失った。

試合終了後に行われた引退式では、李承ヨプが涙する場面も見られた。

そして最後にマイクの前に立った彼は、以下のコメントで野球ファンに別れを告げた。

「2017年10月3日、野球選手李承ヨプの引退を報告いたします。小学生の頃から三星ライオンズの選手になることが夢でした。その夢を叶い、チームの優勝も味わいました。この場に立つことができてとても光栄です。皆様の歓声は忘れません。いつか恩返しできるよう、今後は社会人として一所懸命生きていきます」

韓国では「国民打者」という枕詞がつくほど愛され、韓国プロ野球界に様々な記録を残した李承ヨプ。

最後の一瞬まで野球選手として奮闘した彼の雄姿に、心から拍手を送りたい。

(参考記事:【画像付き】 韓国プロ野球の国民的打者・李承ヨプの、“現役最後の試合”を写真とともに振り返る!!

(文=S-KOREA編集部)