ネトウヨを煽って月収30万! フェイクニュース屋の儲ける手口

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 衆院の解散総総選挙が決まり、与野党だけでなく、マスコミも慌ただしくなってきた。今回の選挙で専門家たちが注目しているのは、アメリカ大統領選でも話題になった“フェイクニュース”がどれだけ影響を及ぼすか、ということだ。全国紙野党担当記者が解説する。

「フェイクニュースをネット上に流布していたアメリカの男性が『トランプは俺が勝たせた』というほど、フェイクニュースが選挙に影響している可能性があります。日本でも、右派左派を標榜した根拠や正確性に乏しい政治情報やコメントがネット上に溢れかえっている。最近では、右派に有利な記事を書くアルバイトの存在も発覚し、ネット上で話題になりました」

◆“ネトウヨ”煽りで月収30万! フェイクニュース屋のリアル

 東京都某所にある、ウェブデザイン会社の代表を務める牧野氏(仮名)も、複数の政治系まとめサイトを所有し、本業のデザインとは別に、副収入を月に30万円以上を得ているという。

「サイトに貼った広告の収入、いわゆる“アフィリエイト”収入です。右派ウケしそうなサイト、左派ウケしそうなサイト両方の運営をしていますが、右派系サイトのほうが儲かる。ネット右翼の人たちのほうが熱心だから(笑)。基本的には、2ちゃんねるなどの掲示板に上がっている書き込みをまとめるんですが、僕らが掲示板に書き込んでそれをまとめることもある。まあ自作自演で、右派や左派が好みそうなまとめ記事に仕立てる。ネット上で、右派ウケしそうな記事を書いてくれる人を探す、なんてのをやってる人もいるようですが、手間ひまかかりすぎるんで、まとめのほうが楽ですよ。僕は右翼でも左翼でもない、カネが儲かればそれでいいんです」

 前出の新聞記者によれば、アメリカで吹き荒れた「フェイクニュース騒動」以上に、ネット上に無数に存在する政治系まとめサイトが、選挙結果に影響を及ぼすのではないかと危惧しているという。

「金儲けの為に、右派や左派を標榜したサイトを運営するいい加減な業者の存在は把握しています。彼らが軽い気持ちで流した嘘情報は、右や左の思慮の浅い識者らによって“発見”され、同時に識者たちの“意見”としてSNSなどで発信される。それがさらにまとめられ、まさに嘘が真実にすり替わってしまうのです。特にネット上で活躍するジャーナリストたちの一部は、SNS上で嘘情報であると指摘されても、黙って記事を消すだけ。結果的に、彼らはフェイクニュースの蔓延に加担している」

 牧野氏は、ネット上で活動するジャーナリストたちに、なりすましアカウントを使い直接フェイクニュースを届けることもあるという。

「右翼的な人間になりすましたアカウントを複数所有し、ジャーナリストのSNSに書き込んだりメッセージを送ったりして、ウチのまとめサイトを紹介してくれるようお願いをする。これが結構引っかかってくれる人がいるんで助かります(笑)。左派になりすました別のSNSアカウントでも、新聞社やネットニュース会社に、うちのまとめサイトがソースの“情報提供”をすると、たまに記事にしてくれる。それでサイトのページビューが増え、広告収入もアップする。適当なまとめ、コメントだけでカネが儲かるので、正直一度やったらやめられませんね」

 フェイクニュースに、一般国民だけでなくマスコミすらも踊らされていると指摘する牧野氏。今回の総選挙にフェイクニュースがどれほどの影響を及ぼすのか。その答えが投開票後に判明するのかも含め、誰にもわからないのかもしれない。

<取材・文/井原忠夫>