13年間、最大の容疑者であり続けたセスクがついに真相を告白。テレビ番組で名将に謝罪した。(C)Getty Images

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 13年越しの未解決事件が、真犯人の告白によって決着した。
 
 2004年10月のプレミアリーグ、マンチェスター・ユナイテッド対アーセナルの大一番。49戦不敗を誇っていたガンナーズだったが、敵地オールド・トラフォードでついにその大記録が途絶える。ルート・ファン・ニステルローイとウェイン・ルーニーのゴールによって、0-2で敗れ去ったのだ。
 
 試合中からエキサイトしていた両陣営。ロッカールームへ引き上げるトンネル内で、小さな小競り合いが大乱闘に発展した。選手のスタッフも入り乱れるカオス。そのなかで、誰かの投げた一片のピザが、名将の顔面を捉えた。マンUの巨匠、サー・アレックス・ファーガソンの顔面をだ。
 
 犯人は誰なのか。当時、唯一の貴重な証言をしていたのがアーセナルのDFマーティン・キーオン。遠回しな表現を使いつつも、九分九厘、人物を特定できる内容だった。
 
「あまり詳しくは話せないが、あれは技巧に長けたスペインの男だったよ。ヤツはピザを手にしてもすごい腕前で、それこそフリスビーのように投げる名人だったんだ」
 
 ファーガソン自身は、2013年に発行した自伝で冗談交じりにこう振り返っている。
 
「忘れられない出来事だ。いきなりピザが飛んできたんだからね。誰もが言ったよ、あれはセスク・ファブレガスの仕業だったと。でも今日に至るまで、真犯人が誰だったのかは判明していない」
 
 さすがはナイトの称号を持つ偉人。疑わしきは罰せず、推定無罪としたのである。
 
 だが、ついに犯人は告白した。良心の呵責に苛まれたのだろう。
 
 英衛星テレビ『Sky』のサッカートーク番組にセスクが登場。司会に「あれはやはりあなたが犯人だったのですか?」と問われると、「イエーース!」と絶叫。スタジオを爆笑の渦に巻いた。状況を説明する前に、「ただ、マーティン・キーオンは嘘をついていたね」として、別の新事実を明かした。
 
「僕は先にロッカールームに戻ってたんだ。したら外がすごい騒ぎになってた。ピザを片手に外に出てみると、マーティン・キーオン、リオ・ファーディンド、ソル・キャンベルといった大男たちがそこかしこで小突き合っていた。だからそこに熱中していたマーティンはなにも見ていないはずだよ。僕がなにをしたのかはね」
 
 そしてセスクは、核心に迫る!
 
「僕もなにかしなくちゃいけないと思った。でも、なにをすればいいんだろう……えいっ!気づいたらピザを思い切り投げつけてた。すぐ分かったよ。それが誰に当たったのかは。もうどうしたらいいのか……ああやっちまったと……」
 
 すぐさまテレビカメラのほうを向き、最後にこう語りかけた。
 
「サー・アレックスに謝りたい! そんなつもりはなかったんです」