センターパネル中央の特等席に設けられたブルーのスイッチをプッシュしてシステムを起動。スピードメーター脇の7インチディスプレイにパワーメーターが浮かび上がり、出発準備は完了だ。当然ながら、この時点では全くの無音。これこそが、まずはピュアEVならではの大きな特徴となる。

そんな静粛性に対する感動は、走り出しても継続される。「ノイズの侵入経路となるボディの隙間を徹底的に排除し、ダッシュボードや各トリム類の吸音性も向上。さらに形状や空気流のチューニングでドアミラーが発生させる風切り音を低減」と報告される数々の対策は、なるほど確実な効果を発揮していると実感。テスト中に降り出した雨で路面がウエット状態になってすら、すこぶる静かという印象は損なわれなかった。

同時に、アクセルひと踏みの段階で実感をさせられたのが、加速性能の向上。従来型でも、「どこまでも走っていきたくなる胸のすく加速感」はリーフの武器だったもの。そんな美点はさらに大いに磨かれ、今回は従来型では感じられなかった狎簑佚な速さ感瓩泙任得られるようになったのだ。実際、「だいたい8秒台の半ば」という新型での0→100km加速タイムは、従来型の10秒台後半に対して大幅に向上。バッテリー容量の上乗せを主因とする車両重量の増加もものともせず動力性能が確実に向上したのは、従来と同様のモーターを用いつつも、新開発のパワーモジュールを採用したことで、そこに流せる駆動電流を上乗せして出力向上が図れたからであるという。

こうして、際立つ静粛性や向上した絶対的な動力性能に加え、スタート瞬間の強いトルク感や、EVならではの圧倒的にシャープなアクセルレスポンスなどがなんとも心地の良い加速感を演じてくれる新型の走り。

しかし、今回はさらにそこに加えられた”快感のもと”が、最大で0.2Gと高い減速度を発揮し、最終的にはそのまま静止状態のキープも可能とされた”e-Pedal”の採用でもある。クリーンヒットを飛ばしたシリーズハイブリッド車、ノートe-POWERで日産が味をしめた(?)このロジックは、先に紹介したコンソール上のスイッチの操作で作動状態に入るもの。これを用いると、日常シーンでの走行はほぼアクセルペダルの操作のみでOKという”ワンペダルドライビング”が実現されると同時に、ノートでは実現できなかった静止状態の保持も可能となるのだ。

 

JC08モードで400kmという航続距離は、同クラスのエンジン車ではまだ”20l+α”という燃料タンク車に相当。そもそも、現実の発電状況を踏まえれば「ゼロエミッション」は言い過ぎだし、”プロパイロット”を「自動運転」と言い切ってしまうのも、問題大アリ!と、個人的にはそんな思いも残るもの。

とはいえ、リーフというモデルが世界のピュアEV界を牽引して来た先駆車であることは間違いナシ。世界が固唾を飲んでその動向を見守る、大注目の1台だ。

(レポート=河村康彦 フォト=平野 陽/神村 聖)

<モーターファン別冊・日産リーフのすべて「Driving Impression」より抜粋>

【関連リンク】
ニューモデル速報 Vol.560 新型リーフのすべて
http://www.sun-a.com/magazine/detail.php?pid=9819

電子版
http://www.as-books.jp/books/info.php?no=NMS20171003

【新車試乗 日産リーフ】自動操縦機能も備え、EVをより身近に「いま見える明日(後編)」(http://clicccar.com/2017/10/05/517442/)