成田国際空港で、偽造旅券を使って入国しようとした際に拘束された金正男氏(2001年5月4日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(キム・ジョンナム、Kim Jong-Nam)氏がマレーシアで殺害された事件で、実行犯として殺人罪で起訴された女2人以外の容疑者らが正男氏に神経ガスを吸入させた可能性があることが分かった。クアラルンプール(Kuala Lumpur)近郊の裁判所で始まった公判で、専門家が4日に証言した。

 インドネシア国籍のシティ・アイシャ(Siti Aishah)被告とベトナム国籍のドアン・ティ・フオン(Doan Thi Huong)被告は、2月13日にマレーシアの首都クアラルンプール(Kuala Lumpur)の国際空港で正男氏の顔に猛毒の神経剤VXガスを塗り付けた罪で起訴され、裁判を受けている。この冷戦(Cold War)時さながらの暗殺事件は世界を震撼(しんかん)させた。

 起訴状では、両被告のほかに北朝鮮人の容疑者4人が正男氏の殺害に関与したと言及されているが、4人は事件当日にマレーシアから姿を消し後、逃走を続けている。

 被告の弁護士は4日の審理で、正男氏の司法解剖を行った病理学者のモハマド・シャー・マハムード(Mohamad Shah Mahmood)氏に対して、正男氏が空港に到着する前に4人から毒物を投与されていた可能性があるかどうかを質問。マハムード氏は「可能性はある」と答えた。

 防犯カメラの映像によると、女2人は正男氏の背後から近づき顔に物質を塗布して逃亡した。司法解剖で正男氏の死因はVXガスによるものと分かった。

 しかし、VXガスが大量破壊兵器に分類される致死性の高い化学物質であるのに、女2人が一切害を受けなかったのは不可解だと専門家らは首をひねっている。
【翻訳編集】AFPBB News