【ビデオ】高級住宅地に駐車されたシャーマン戦車をめぐり、住宅管理組合が所有者に宣戦布告
この年季の入った戦車は、第二次大戦中の1944年、ノルマンディー上陸作戦に参加し、ヨーロッパでナチス・ドイツの崩壊に貢献した1台である。しかし、すでに退役しているにもかかわらず、今になって米国内戦線の最も激しい砲火にさらされている。住宅管理組合から"口撃"を受けているのだ。

米国テキサス州ヒューストンに住む弁護士のトニー・バズビー氏は昨年、海外でこのアメリカ陸軍M4中戦車(通称シャーマン)を購入した。修復済みで状態は良好。全ての機関が完全に作動するという。ちなみにこんな博物館に展示できそうな戦車の購入を考えている方のためにお伝えすると、価格は60万ドル(約6,800万円)ほどだったとか。だが、現在この戦車が駐められている場所は軍事博物館のフロアではなく、バズビー氏の豪邸前の路上であり、この地域は高級住宅地として知られるリバー・オークスなのだ。

「ここまで運ぶのに1年かかりました。今はリバー・オークス大通りに駐めてあります」とバズビー氏は地元のTV局KHOUに語っている。「この戦車はノルマンディー上陸作戦に参加した個体で、パリを解放し、最終的にはベルリンまで行った由緒ある戦車なんです」

「米国にとっても貴重な戦車です」と近所の住人ケン・ダグラス氏も同意する。

ところが、当地の住宅管理組合はさほど好意的に受け止めていないようで、バズビー氏宛に書簡を送り、戦車が交通の妨げになっており安全面で問題があるとし、周辺住民が危惧していると伝えてきたのだ。

KHOUがこの危惧しているという住民を探してみたものの、見つかったのはこの戦車を素晴らしいと思う人ばかりで、特によじ登って遊ぶ子供たちには大人気である。

まさに弁護士と住宅管理組合による戦争が繰り広げられているわけだが、これぞなんともアメリカらしいと言うべきだろう。バズビー弁護士は「組合側にはどうすることもできません。違反切符を切ろうが、レッカー移動を試みようが、私が動かさない限りこの戦車はどこにも行かないのですから」

もちろんレッカー移動というのは冗談である。何しろこの戦車は少なくとも33トンはある代物なのだ。

もっともバズビー氏によると、実際には近いうちに自身が所有する牧場へ移すことになっているそうだ。路上駐(戦)車ではなく自宅敷地内の私道に駐めることもできただろうが、舗装が傷んでしまうのが心配だったのだろう。あるいは単に見せびらかしたかっただけかも知れない。まあ、そんな気持ちは管理組合には到底理解されないだろうが。



By Greg Rasa

日本映像翻訳アカデミー