マネックス証券は9月30日からiDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)の申込み受付を開始した。運営管理手数料を完全無料とし、21本の投資信託の手数料(信託報酬)も業界最低水準の商品を揃えた。同社のiDeCoへの取り組みについてプロダクト部長の牧力爾氏(写真:左)とプロダクト部マネジャーの清野翔太氏(写真:右)に聞いた。

――iDeCoの特徴は?

清野 運営管理手数料を完全に無料とし、長期の資産形成に相応しい運用商品ラインナップを揃えた。ラインナップについては、国内外の株式・債券・REIT(不動産投信)の品揃えにおいて、ほとんどのカテゴリーで業界最低の信託報酬水準の商品を揃えることができた。

 また、国内株式のアクティブファンドで「スパークス・新・国際優良日本株ファンド」、バランスファンドで「ラッセル・インベストメント・グローバル・バランス 安定成長型」、「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」といったiDeCoで初めて採用されたファンドを取り揃えているのも特徴だ。インデックスファンドの信託報酬の低さ、アクティブファンドの優れた運用力という点で、厳選した商品ラインナップを目指した。

 iDeCoは今年1月に加入対象者が大幅に拡大することを受けて、多くの金融機関から新プランの取り扱いが開始され、かつ、iDeCo向けの新しい運用商品も発表された。当社はiDeCoの取り扱い開始がやや遅れたが、その分、iDeCo向けに新開発された商品についても十分に検討した上で、運用商品を揃えることができた。

 iDeCoは60歳以降の年金生活に備える制度として運用期間が長期になる。運用コストは可能な限り、低コストで実施したいところだ。運営管理手数料も含めたトータルコストが業界最低水準になるサービスを提供している。

――資産配分のアドバイスを行うロボ・アドバイザーの特徴は?

清野 これまで投資をしたことがない方にとって、iDeCoでどの商品を選べばよいのかというのは、iDeCoを始めるにあたってのハードルの一つになっている。そこで、簡単な質問に答えるだけで、その方のリスク許容度を判定して、そのリスク許容度に相応しい資産配分をご提案する「iDeCoポートフォリオ診断」を提供している。

 診断結果は10段階のリスクランクで判定する。ご提案するポートフォリオは8資産(国内と先進国の株式・債券・REITと新興国の株式・債券)の組み合わせで提案しているので、かなり広く分散したポートフォリオになっている。

牧 マネックス証券には、資産設計アドバイスツール「MONEX VISION β」やロボ・アドバイザーを使った投資一任サービス「マネラップ」などのサービスがあるが、「iDeCoポートフォリオ診断」はこのようなツール・サービスとは別の年金向けのコンテンツになっている。iDeCoは60歳以降で必要になる資金を形成するための手段だが、多くの方にとってそれは生活資金であり、日本円で支払っていく性格の資金だと考えられる。つまり、運用の過程、特に受取りが始まる段階で為替変動の影響を大きく受けることは避ける必要があり、国内資産での運用をメインにしたポートフォリオ提案になっている。

 「iDeCoポートフォリオ診断」は、iDeCoを始めるきっかけのツールとして現在は設置している。今後、運用をサポートするという観点では、リバランスに関する提案機能などを拡充する必要がある。また、「つみたてNISA」やその他の証券総合口座の資産など、より総合的な資産設計を考えた場合の「MONEX VISION β」や一括口座管理サービス「MONEX ONE」との連携等も視野に入れて、規制緩和への取組みやサービスの拡充を検討したい。